一般廃棄物(し尿、浄化槽汚泥)を処理する施設です。
施設概要
- 施設名称:備北衛生センター
- 所在地:広島県庄原市掛田町111-3
- 処理能力:50kl/日(し尿:28kl/日、浄化槽汚泥:22kl/日)
- 処理方式:膜分離型高負荷脱窒素処理方式+高度処理
処理概要
受入貯留設備
受入貯留設備では、主処理設備での処理をスムーズに行うための前処理を行います。
搬入されたし尿や浄化槽汚泥は、それぞれ沈砂槽で砂や小石を除去した後、夾雑物除去装置で紙などの夾雑物(ごみ)が取り除かれます。
次に繊維除去装置で細かな砂や繊維などを取り除き貯留槽に貯められます。
また、沈砂槽で除去された砂や小石は、自動洗浄され衛生的に排出されます。
夾雑物除去装置、繊維除去装置で取り除かれた紙や繊維は夾雑物脱水装置で脱水された後、汚泥処理設備で焼却処分されます。
受入室
前処理・脱水機室
主処理設備
前処理されたし尿と浄化槽汚泥は、それぞれの貯留槽から主処理設備へ定量的に連続して送られ、一緒に処理されます。
処理するための希釈水を使わない高負荷脱窒素処理方式の生物処理反応槽で、し尿等に含まれる汚濁物質はそのほとんどが取り除かれます。
生物処理反応槽は、第1 反応槽、曝気槽、第2 反応槽、限外ろ過膜循環槽で構成され、槽内のバクテリアによりし尿中の有害な物質を無害な物質に分解・除去します。
限外ろ過膜循環槽では限外ろ過膜を用い、バクテリアを生物処理反応槽内に維持するとともに、し尿中の微細な懸濁物や大腸菌などを取り除きます。
そして安全性の高い処理水となるのです。
生物処理反応槽システム図
ポンプ室
高度処理設備
高度処理設備では、主処理工程処理水にわずかに残っているリン成分や色度を取除きます。
リン成分は、凝集沈殿処理により取り除かれ、さらに凝集限外ろ過機で微量の懸濁物を高度に除去します。
そして活性炭吸着塔でCOD や色度を取除き、無色透明な処理水となり、プラント用水として再利用されたり、屋外へと放流されます。
活性炭吸着塔
汚泥処理設備
主処理設備からの余剰汚泥および高度処理設備からの凝集汚泥は、汚泥脱水機で脱水された後、汚泥乾燥機で乾燥処理されます。
乾燥された汚泥は乾燥汚泥ホッパより排出され、再生汚泥として利用することが可能です。
また、受入貯留設備から送られた紙や繊維などの脱水し渣は、焼却炉で焼却処分されます。
焼却炉から発生する排ガスは、バグフィルタで塵を高度に取り除き屋外へ排気します。
乾燥機
焼却炉
脱臭設備
脱臭設備では、施設内の機器や水槽および各室内より発生する臭いを集め処理します。
受入貯留設備等で発生する高濃度臭気は、主処理設備の曝気用空気として使用します。
そしてバクテリアの働きにより脱臭され、中濃度臭気となって酸・アルカリ洗浄脱臭塔で脱臭されます。
各室内に残る低濃度臭気は、洗浄脱臭後の中濃度臭気とともに中・低濃度臭気活性炭吸着脱臭塔で脱臭され、臭いの無い空気として屋外に排気されます。
酸・アルカリ洗浄脱臭塔
取排水設備
施設では、できるだけし尿の処理水を再利用するよう設計されています。
高度処理設備で活性炭処理された処理水は受入貯留設備の前処理機器で洗浄水として再利用されます。
その他のプラント用水は河川の水を使用し、余分な水は使用しない・排出しない、環境を考えたシステムになっています