乳牛の飼育に携わるきっかけや、ジェラートづくりについて話を聞きました。
▼田邊賢太(けんた)さん、梢(こずえ)さんご夫妻

牧場を継ぐ決断
実家の牧場とジェラート店を継ぐため、妻と一緒に口和町に帰ってきたのが6年前です。
高校卒業後に神戸の専門学校に進み、飲食業の会社に就職しました。
それから10年経った頃、両親から「年もとったし、賢太が帰らないなら牧場とジェラート店はやめようかな」と
言われました。
同じ頃、職場でも「独立して経営者にならないか」という話があり、本当に悩んだのを覚えています。
私は、幼い頃から酪農の手伝いをしていたので、農業は体力仕事で休みがないと思い込んでいました。「牧場を
継ぐことは難しいかもしれない」と考えていたそのとき、知人から「最近の酪農は機械化が進んでいるよ」と
教えてもらいました。
すぐに機械化している牧場を紹介してもらい、飛び込みで見学に行きました。牧場を何カ所か見学し「これなら
自分でもできる」と確信しました。
そして、そしてまずは牧場の機械化を目標に、口和に帰ることを決めました。
帰ってきて分かったのですが、庄原市の酪農家には若い後継者が多いと思います。食事会を通して彼らと仲良くなり、
分からないことは全部教えてもらいました。
地元は思っていたより同世代の若い人が多く、今では私も青年会に入って一緒に活動しています。
2年前に牧場を法人化し、本年は念願の新しい牛舎を建設。自動搾乳機も導入し、機械化の夢が叶いました。
今では妻もジェラートづくりだけでなく、牛の飼育にも携わってくれています。
今後は、休止しているジェラートの店舗を再開させることと、自給飼料の作付けを増やすことを目標に、頑張って
いきたいと思います。