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ストーリーズ -このまちで暮らす- (帰郷・定住者のご紹介)

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Stories in Shobara
生まれ育った故郷は、懐かしくて落ち着く場所でもあり、どこか物足りなさを感じてしまう場所でもあります。
刺激や可能性を求めて広い世界へ飛び出し、忙しくも充実した日々を過ごす中、ふと思い出すのはやっぱり故郷。
庄原の景色ととも脳裏に浮かぶ家族や友達との楽しい日々は、これからのあなたの原動力となるでしょう。
そして、ここ庄原にも夢や希望を描いて、キラキラと過ごしている若者がたくさんいます。
その想いや暮らしぶりに触れることで、「庄原で暮らす」という選択肢が生まれることを願います。


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Story1 flower&cafe hanatojyo 山岡 翼 さん

ー東城でお店ができるのは たくさんの人の協力があったからこそ

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10年間のキャリアを積んでいざ独立!
オープンする場所に悩むご主人を決意させた奥様のひと言

 古い町並みが残る東城町の「上之町通り商店街」。ここに、ちょっと珍しい"草花が揃うフラワーショップ"と"地元の人もくつろぎに訪れるカフェ"が一緒になった「hanatojyo」があります。
 店主の山岡さんは東城生まれの東城育ち。高校に進学する際に東城を離れ、姫路の大学へ。そして姫路市で葬儀専門の生花を装飾する会社に就職しました。就職先では花祭壇のデザインから提案、装飾、アレンジまで幅広く担当。
 「ここで10年間キャリアを積んだら、花屋として独立したいと思っていました」と山岡さんは話します。在職中にフラワー装飾1級技能士の国家資格も取得し、独立に備えてきました。一番頭を悩ませたのは店を出す場所。それまで暮らしていた姫路市のような都会にするか、故郷・東城のような田舎にするか。
 背中を押してくれたのは奥様の「東城にしたら?」というひと言でした。「東城に家族みんなで帰省した時、友人や知人の方と主人が触れ合っているのを見て、とても愛されているなと感じました。ライバル店が多い都会で埋もれてしまうよりも、地元でキラリと光る店にした方が良いと思ったんです」と奥様。店をオープンする場所を探していた時に、昔山岡さんが散髪していた理髪店のおじちゃんと偶然出会い、東城の地域振興の立役者・木村さんを紹介してくれました。木村さんが商店街にある町屋の大家さんへと繋いでくれてからは、多くの協力を得て、あれよあれよという間にオープンへとこぎつけました。

子どもの頃に感じた地域の人の温かさは今も健在
その優しさに答えられる「愛される店」になりたい

 子どもの頃に感じた地域の人の温かさは今も健在その優しさに応えられる「愛される店」になりたい町屋は築100年の古民家。土間と居間に大きな段差を設けた昔ながらの間取りを活かして、土間部分を花屋に、居間部分をカフェに改装しました。カフェを訪れた人にも、花に興味を持ってもらえるように工夫した造りになっています。花屋には見たこともない花やグリーンがずらり。「ふらりと訪れた年配の方も、ワクワクしたお顔で花に目を向けられています」と山岡さん。カフェは幅広い世代の方に訪れてほしいとの想いから、飾らない純喫茶をイメージしました。ナポリタンやエビピラフなどの定番メニューからオリジナルのタコライスまで、バラエティ豊かなメニューが揃います。
 2018年7月にオープンしてから早1年。「地域のみなさんに受け入れてもらっていると感じています。子どもの頃に感じていた人の温かさはあの時のまま。これが故郷で店を開こうと決めた要因であり、ここで店を続けていけるという強みにもなっています」。山岡さんの夢は、お店が東城を代表する店の一つに挙げられるような愛される存在になること。「『あそこのマスターがめっちゃええんよ』と言ってもらえるようになったら最高ですね」と笑います。

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▲目新しい草花が空間一杯に広がるフラワーショップ。山岡さんのセンスが光るアレンジメントも人気です。

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▲山岡さんと奥さんの恵さん。5歳になる息子さんもすくすくと元気に育っています。
【Question:子どもの遊ぶ場所がなくて不便じゃないですか?】
確かに鉄棒や滑り台などの遊具がある公園はありませんが、大きな広場で遊ばせたい時は、近くの小学校の校庭などを利用しています。
5歳でもガンガン自転車に乗りますし、近所のおばちゃんの家で遊んだりもするんですよ。町全体が遊び場みたいなもんです。イベントがある時には、家族で備北丘陵公園に出かけたりもします。



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Story2 小学校英語指導者 松井 理恵 さん

ー「自分らしく生きること」が ここでなら実現できると確信

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自分のため、子どものために
Uターンすることを決意

 西城小学校や高小学校など市内5つの小学校で英語を教えている松井さん。英語が好きだったことから、広島市内の国際科がある高校に進み、関西外国語大学に進学しました。最初に就職したのは海外旅行専門の旅行会社。旅のプランニングや航空券の手配などの業務を5年ほどこなし、その後、外資系航空会社のキャビンアテンダントに転職。
 結婚し1人目のお子さんを生んだ後も両親やご主人の協力のもと仕事を続けていましたが、2人目のお子さんを妊娠したのを機に退職。「フライトに出れば数日は帰れないこともしばしば。働くことに限界を感じてしまいました」と松井さんは振り返ります。
 初めての専業主婦、24時間お母さんという立場になって、「自分らしく過ごせていないなと感じ、いつしか生まれ育った町のことを考えるようになっていました。子どもを連れて帰省すると子どもも自然の中でイキイキ。こんな環境で子育てがしたい、これまで応援してくれた両親に恩返しがしたい。そんな気持ちが日に日に膨らんでいきました」。
 元々アクティブな松井さんは、資格さえあれば仕事には困らないと考え、独学で保育士の免許を取得。Uターンしてしばらくは市の嘱託員として勤めていましたが、小学校に英語教育が導入されたのを機に英語指導者という道を選びました。「誰かに喜んでもらえる仕事、誰かの力になれる仕事。それに+語学が活かせる仕事をしたいと思っていました。今この仕事に携われることは本当に幸せ」と話します。

英語を学習することで
子どもたちの未来を選択肢を広げたい

 ゲームや歌を取り入れて、子どもたちが楽しみながら英語を学べるように工夫している松井さん。コミュニケーションやスピーチ、グループディスカッションの時間を設けた参加型の授業を心掛けています。「これからはコミュニケーションをとるためのツールとしての英語、自分を表現するための英語が必要になる時代です。子どもたちに必ずしも英語を使う仕事に就いてほしいという訳ではなく、それぞれの夢を叶えるために英語が少しでも役に立って、未来の選択肢が広がればいいなと思っています」。
 さらに「私にとって子どもたちは『どんなふうに成長していくんだろう』と想像力をかき立てられる存在。その成長に携われていることを誇りに感じます」と松井さん。プライベートでは小学校2年生の男の子と6歳の女の子のお母さん。「子どもが小さい時、自然を怖がる姿を見て危機感を感じたのもUターンの一因。今では祖母と畑仕事に行ったり、川で遊んだり、カブトムシを捕まえたり、すっかり田舎の子になりました」と笑います。
 「帰ってきてよかった!」。その言葉から、松井さんの今の暮らしがとても充実していることがうかがえました。

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▲高小学校の児童のみなさんと松井さん。みんな楽しみながら英語を学んでいます。

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▲二人のお子さんは、松井さんのおばあちゃんと実家の畑でトマトを収穫。冬には雪遊びも満喫しています。
【Question:都会に比べるといろいろな面で選択肢が少ないですよね?】
 確かに選択肢は少ないです。今思えば大阪で暮らしていた時は、逆に選択肢がありすぎて困っていたような気がします。遊ぶところもたくさんありますが、あるがためにわざわざ遊びに出て疲れていなような...。選択肢が少ないということは一見不便に感じますが、ある意味無駄がなくていいのではないでしょうか。



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Story3 長曽観光りんご園 長曽 勇樹 さん

ー若い世代や家族連れが満喫できる +αの楽しみを提供したい

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毎年異なる自然環境の中、
美味しいりんご作りを目指して日々奮闘

 長曽さんは祖父母の代から続くりんご園の三代目。庄原実業高校を卒業後、長野県の農業大学校内にある果樹試験場で2年間、果樹の栽培に関する知識と技術を学び帰郷しました。3人兄弟の一番上ということもあり、家業を継ぐということに疑問を抱いたことはありませんでしたが、農業の楽しさを感じ始めたのは高校生の時の体験。長曽さんは、「世話をやけばやくほど美味しくなって、いいものができる。自分たちで栽培したものを校内やイベントで直売して、消費者の声を聞けたこともいい経験になりました」と話します。
 「祖父や父の代より美味しいものを作りますよ!」。そう話す長曽さんは、頼りになる三代目の顔をしていました。9月から11月頃までの収穫時期以外にも、摘花、摘果、葉摘み、剪定など、1年を通して忙しいりんごの栽培。どれも知識や経験を要し、それ次第でりんごの出来が変わります。「自分でコントロールして、いい樹、いい実ができた時が最高にうれしい瞬間」と笑みを浮かべます。
 そんな長曽さんをサポートしているのは、1年前に広島市内から嫁いだ真奈さん。最初は環境の違い過ぎる田舎暮らしに戸惑いながらも、「プラネタリウムのような美しい星空やホタルが家の周りを幻想的に飛び回る風景は、ここに来なかったら出会えなかった景色?」と田舎暮らしを満喫中。結婚を機にMT免許を取得し、最初は苦労したミッションの軽トラも今ではガンガン乗りこなす、頼もしい存在です。

定番の観光農園に新しい風
搾りたての100%ジュースが好評

 高野町のりんごは広島市内では"幻のりんご"と呼ばれ、最近では遠方からも多くの人が直売所に訪れるようになりました。「直売所は直接消費者の声が聴ける貴重な場所。約20種類のりんごを栽培していますが、どんなりんごでどんな特徴があるか、直接伝えられるのもいいですね」と長曽さん。
 2年前から、家族連れや若い世代の人たちにも直売所を訪れてほしいと、ジューサーを導入し、収穫したてのりんごをその場でジュースにする生しぼりジュース(200円)の販売をスタートしました。りんごを丸々1個搾った100%ジュースは子どもたちにも大好評。そのまま食べるよりも甘味が増した濃厚な味わいが楽しめ、品種によっても多彩な風味を堪能できます。味わえるのは収穫時期の9月から11月頃まで。
 「若い人があまり果物を食べなくなったと聞きますが、どうすれば若い世代の人たちに来てもらえるかを考え、体験型の仕組みを作っていきたい」と長曽さんは目を輝かせます。FBなどSNSでの情報発信にも積極的。「町を元気にするために、たくさんの人を呼び込みたい」。長曽さんの挑戦は始まったばかりです。

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▲寒暖差があればあるほど、赤く色づくりんご。今年も手塩にかけて育てています。

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▲長曽さんと奥様の真奈さん。「MTの免許を取る時には、主人も練習に付き合ってくれました!」と真奈さん。
【Question:普段の買い物ってどうしてるんですか?】
 近くにコンビニエンスストアや大型スーパーはありません。米や野菜は自分たちで育てたものがありますし、ご近所さんからもいただけます(笑)。
 新鮮で美味しい食材には困りません。どうしても必要なものは三次市の大型スーパーでまとめ買いしています。業務用の冷蔵庫は必需品ですね。



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Story4 やぎネットワークひろしま 入瀬 瞳 さん

ーヤギが庄原市を救うかもしれない! ヤギで儲かるビジネスモデルを構築中

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除草、防災、景観維持、鳥獣被害防止...
ヤギって実はすごい動物!?

 畜産技術センターに勤め、牛の管理や研究補佐をしている入瀬さん。ただいま育休中で、3歳の女の子と9ヶ月の男の子の育児に奮闘しています。入瀬さんのもう一つの顔が2013年に仲間とともに立ち上げた"ヤギネットワークひろしま"のスタッフ。ヤギの飼育方法や困りごとの解決など、ヤギに関する情報を提供しています。きっかけは同年、毎年持ち回りで開催されている全国ヤギサミットが広島で開催されたこと。それ以降、ヤギの有識者などを迎え、ヤギ愛好家の人たちと共催で"やまなみヤギサミット"を毎年開催しています。
 ヤギの魅力って何なのでしょうか?「ズバリ、ヤギが世界を救います」と入瀬さん。ヤギは人間が食べることのできない雑草を栄養に変えることができる動物。その特性を活かし、放置された田畑をよみがえらせるというのです。「耕作放棄地になる田畑は、重機が入れない山間が多いんです。そこにヤギを投入して除草を行えば、美しい里山の風景を取り戻し、鳥獣被害も減らせる。さらに保水効果が高まり防災にも役立ちます」と力を込めます。
 現在、川北町の田の平地区で実証実験を兼ねて、3匹のヤギをレンタル中。「ヤギを使った除草は、アルプスの少女ハイジでいうところのペーターのような役割の人も必要なわけです。様々なメリットにプラスして、さらに雇用まで生まれるというなんて素敵なシステム。ヤギが庄原を救うかもしれません!」とヤギ愛たっぷりに語ります。

ビジネスモデルの構築は
若者を流出させないためにも必要なこと

 最終的な目標はヤギによって地域にお金を生み出す仕組みづくり。利用者に販売したヤギが草を食べて大きくなったら、ヤギネットワークが譲った価格よりも高く買い取ることで利用者に利益を生み出し、そのヤギを食肉として販売することでヤギネットワークにも利益が生まれます。2017年に開催されたやまなみヤギサミットでは、試験的にヤギ肉のフルコースが振る舞われ、評判も上々でした。
 入瀬さんは現在、肉を安定供給するための研究に励んでいます。「除草、防災、景観維持など、まだまだヤギの可能性は無限大。ヤギを使ったビジネスモデルを構築してみせます」と意気込んでいます。儲かる仕組みづくりにこだわるのは、これから先もずっと高町で暮らしたいという想いから。「お金があれば、わざわざ仕事をするために町に若者が出ていく必要がなくなると思うんです。子どもたちが大きくなった時に、どんな選択をするかは分かりませんが、高町で暮らすという選択肢を残してあげたいんです」と話します。育休は9ヶ月のお子さんが1歳になるまで。間もなく、2足のわらじの入瀬さんの、忙しい日々が始まります。

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▲家の敷地内でもシンくん、カイくん、アオちゃんの3頭を飼育中。繁殖も行っています。

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▲ヤギに関する専門書や報告書で、日々ヤギについて勉強しています。
【Question:雪が降ると嫌になりませんか?】
 除雪はかなりの重労働です。高町はかなり積もるので避けて通ることはできません。私の場合、除雪作業は筋トレを兼ねています。わざと長い時間かけて除雪してカロリーを消費。太りやすい冬になんと3kgも痩せるんです。
 不便なことも楽しみながら取り組むことが、田舎暮らしを楽しむことに繋がるかもしれません。

※「用語解説」のご連絡については、ウェブリオまでお問い合わせください。

自治定住課
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自治定住係:住民自治の推進、コミュニティ振興、地縁団体、自治振興区、集会所整備、空き家バンク、転入定住施策など
電話:0824-73-1209