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庄原市の小児医療を維持するために活動する子育て世代の声を聞きました

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庄原市には、地域の将来を見据えて「自分たちなら何ができるか」と考えて活動する方々がいます。
この記事では、小児診療を守りたいと願い、地域に根差した活動を精力的に行ってきた子育て世代の方々の取り組みをご紹介します。

庄原市は平成29年2月10日、小児科医師である金丸博さんと、「庄原市こども未来広場」を整備するにあたり、小児科診療所と病児病後児保育施設の運営に関する基本協定を結びました。
この日、庄原市の小児診療を維持するための活動をしている「庄原の小児科医療を考えるひだまりの会」の八谷るりこさん、森岡早苗さんの両代表も会場に訪れ、調印式の様子を見守りました。
同会は、平成21年に会を立ち上げてから、小児科医師の負担を減らすために、病気に関する正しい知識を学び、上手な受診の仕方など小児医療についての勉強会などに取り組んできました。今回も、こども未来広場の計画をぜひ実現してほしいと、市内の子育て世代の思いを伝えるため、署名を集め市に提出しました。 庄原の小児医療を考えるひだまりの会の皆さんによる要望書の提出や短期間での署名活動は大変力強い後押しとなりました。

▼八谷るりこさん
・子育て推進委員
・庄原の小児医療を考えるひだまりの会代表
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今回の署名活動をするなかで、子どもが病気のとき、大変苦労している人がいることが分かりました。近くに小児科がない人は、具合が悪く大泣きする子をはるばる遠くの病院に連れて行ったり、病院に到着しても長時間待たなければならないことがあったりと、大変な思いをされています。
話を聞いているといろいろな意見がありますが、中には子育てを終えた世代の人でも、「自分の娘が将来庄原に帰ってきて、出産できて、孫の面倒を自分がみることができたらうれしい」などと話をしている人もいました。
庄原が少しでも子育てしやすいまちになればと思います。今回の小児科診療所や病児病後児保育施設整備は、その第一歩だと思っています。

▼森岡早苗さん
・庄原の小児医療を考えるひだまりの会代表
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私たちが「ひだまりの会」を立ち上げたきっかけは、「小児科医2人体制ができなくなるかもしれない」ということが懸念される中、当時の庄原赤十字病院小児科の医師と座談会をさせてもらったことです。
会では、親の不安を軽くし、上手な受診ができるように子どもの病気について勉強してきました。今も変わらず2人体制を保ってもらっていますが、小児科の置かれる状況を伺ってからはぎりぎりの状態で働いておられるのだと思います。また、他の市町に住む友人に「病児病後児保育がないのに、どうやって働いているの」と言われたこともあります。
医師を1人確保するということはとても大変なことだと感じています。そんな中、庄原市に小児科の医師が来てくださるのが本当にありがたいです。

▼浅尾 綾さん
・ひだまり広場利用者(元育児サークル「バルーン」代表)
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かかりつけの医師がいることは大変ありがたいことだと思っています。医師が交代されてもデータを見れば、その子の病歴などは分かるかもしれませんが、地域に定着した医師がいてくれたら、みんな心強いと思います。子どもによっては、ひどいアレルギーがあったりしますが、そういう子の保護者は、同じ医師に診ていただきたいという思いが強いと思います。
医師が本当に激務であることは感じています。いつ休まれているのだろうと思います。だから、ひだまりの会で小児医療の勉強をし、今ではこれぐらいなら様子を見ようという考え方もできるようになりました。
小児科医師不足と言われている中、私たちももっと勉強しないといけないと思います。

小児科医を守りたいと願う母親たちが立ち上げた
「小児医療を考えるひだまりの会」

市内で小児科医がいなくなるという不安を抱いた「庄原子育て支援センターひだまり広場」に集う母親たちが平成21年10月に立ち上げた「庄原の小児医療を考えるひだまりの会」。24時間365日の診療体制の中、入院する子どもの回診や夜間・休日の救急対応など、十分な休息が取れない環境で働く小児科医の負担を軽減しようと、自分たちのできる行動を実践しています。
これまで、病気に関する正しい知識や上手な受診の仕方を学ぶ学習会を開いたり、小児科医と意見交換会を実施したりするなど、精力的な活動を続けています。小児科医の負担軽減につながる取り組みの効果が少しずつ出始め、こうしたかかわりから医師や看護師とのコミュニケーションも深まり、お互いに信頼関係が築かれてきました。
会員の創意と工夫にあふれた自主的な活動が認められ、平成25年12月、広島県いきいき地域づくり賞を受賞。地域医療を守ろうと活動する市民グループは県内には他にないことから、医療関係者からも注目を集めています。地域医療を守っていく取組モデルとして、これからの活躍にも期待が寄せられています。

子育て世代に大きな安心感を
「庄原市こども未来広場」完成

地域の宝である子どもたち、また、これから生まれてくる子どもたちに安心な環境を提供するとともに、子どもたちを育む保護者の皆さんを支援するため、こども未来広場の整備を進めてきました。そして令和元年、小児科診療所「庄原こどもクリニック」と病児病後児保育施設「わらべ保育室」に続き、庄原子育て支援施設「庄原ひだまり広場」の整備が完了したことで、「庄原市こども未来広場」が完成しました。

庄原市では、子どもを安心して産み、育てることのできる環境づくりを、優先して取り組むべき課題と位置づけ、庄原市こども未来広場の整備を企画し、約3年の歳月により完成に至りました。
夢に描いた「こども未来広場」が完成したことは、庄原市の子育て環境において、大きな一歩となります。
平成30年4月には、合併以来の悲願だった市内での産科再開が実現し、同年7月の小児科診療所の開設により、妊娠から出産、さらには育児と、本市の子育て体制は大きく充実しました。

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このこども未来広場の第1期施設である「庄原こどもクリニック」と「わらべ保育室」は、いずれも早い段階から市民・保護者の皆さんの信頼を得て、安心・満足の声とともに、想定を上回るご利用をいただいています。

第2期の施設として、子育ての相談対応、保護者の集いの場などの機能を有する「庄原ひだまり広場」の移転・整備を完了し、計画していた施設がすべて整いました。 本施設の活用により、庄原で暮らす若い皆さんに住みよさを感じていただき、過疎化・少子化の抑制に結びつくことを切に願っています。
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関連リンク

庄原市こども未来広場とは
庄原市子育て支援センター

※「用語解説」のご連絡については、ウェブリオまでお問い合わせください。

自治定住課
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自治定住係:住民自治の推進、コミュニティ振興、地縁団体、自治振興区、集会所整備、空き家バンク、転入定住施策など
電話:0824-73-1209