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第4回臨時議会での市長所信表明をアップしました。

4月26日(金)に開催された本会議において、木山市長が所信表明を述べました。

(写真:本会議場で所信表明演説をする木山市長)所信表明.jpg

お許しをいただきましたので、庄原市議会臨時会の冒頭、市長就任のご挨拶並びに市政運営に取り組む所信の一端を申し述べ、議員の皆さん、市民の皆さんに、格別のご理解・ご協力をお願いするものでございますが、まずもって、このたびの選挙において、 定数削減という厳しい条件の中、見事、当選を果たされ、この場に集われました議員各位に、心からお祝いを申し上げます。 誠におめでとうございます。 加えて、合併直後から現在まで、新「庄原市」の礎を築かれました滝口季彦前市長に、尊敬と感謝の意を表するものでございます。

ご案内のとおり、このたびの市長選挙におきまして、私、木山耕三は、多くの皆さんからご支持・ご支援を頂戴し、合併後、2代目の庄原市長という栄に浴しました。 市民の皆さんから寄せられました、心温まるご厚情に対し、 この場をお借りして、衷心よりお礼を申し上げます。

今、こうして、この壇上に立ちますと、市政運営をつかさどる職責の重さに、身の引き締まる思いでございますが、初心を忘れず、驕ることなく、公平・着実な市政運営に努めてまいる所存でございます。 今、私たちの"ふるさと"では、「人口の減少、少子高齢化の進行、基幹産業の衰退」という中山間地域の共通課題が、年々、厳しさを増しております。 しかし、「活力ある"ふるさと"の実現」「美しい"ふるさと"を未来へ」という思いを失ってはなりませんし、誰もが現状と課題を再認識しつつ、市民、議会、そして行政の三者が一丸となって、知恵を出し、汗をかき、創意と工夫を結集することで、必ず道は拓かれるものと確信しております。

私は、3期12年間、広島県議会議員として県政に携わる中で多くの人を知り、多様な場面に接し、政策提言や問題提起を行ってまいりました。 この経験を活かすとともに、庄原で生まれ・育ち、庄原を愛し、常に庄原を見つめてきた市民感覚を忘れることなく、"ふるさと"の持続的な発展に尽力することをお誓い申し上げます。

本市が抱える様々な課題を克服し、停滞する現状を乗り越え、 皆さんと一緒に「活力のある庄原市」を築くため、今回の選挙において、「地域産業」、「暮らしの安心」、「にぎわいと活力」を柱とする「庄原いちばんづくり」をお約束いたしました。 この「いちばんづくり」の「いちばん」とは、決して数値や量、順位などを基準としたものではなく、「しあわせ」や「安心」、「達成感や満足感」といった、心の「いちばん」を実感できること、「やっぱり、庄原がいちばんええよのぉ」と思える「まちづくり」を意図しております。

まず、第1に「地域産業」であります。 本市の地域産業・基幹産業が「農林業」であることは、田園や里山の景観をはじめ、歴史や人びとの暮らしぶりからも明らかと存じますが、その「農林業」の衰退が顕著であることも否定できません。

ただ、厳しい環境にあっても、前向きな挑戦が笑顔を生み、喜びへとつながる事例もございます。 大阪で開催されました「米の食味コンテスト」において、全国から応募・出品された300以上の米の中で、庄原市の米が、昨年、一昨年と2年連続で高い評価を受け、最優秀賞を獲得されました。

このように、本市には、農業に関し、経験に基づく知識と技術、誇りと熱意をもった皆さんが数多くおられ、米をはじめ野菜、果樹、和牛など多種多様な生産が行われております。 これら農畜産物の付加価値・評価を高め、消費者からの信頼を勝ち得る「庄原ブランド化」の推進や、生産から加工、流通販売を一体化する「6次産業化」の育成など、新たな視点と検証を加えた農業支援策に取り組んでまいります。

また、市域の約84%を占める森林の資源活用、林業再生に向けた取り組みも重要であると認識しております。 国においては、平成32年に木材自給率を50%以上にすることを目標に掲げ、地域材の需要を喚起するため、本年4月より「木材利用ポイント事業」をスタートさせたところですが、本市におきましても、「ひろしまの森づくり事業」をはじめとする既存施策の有効活用に併せ、豊富な森林資源の活用、地域材の消費拡大に向けた支援策を検討してまいります。

第2は、「暮らしの安心」であります。 生まれ、育ち、暮らし、そして生涯を終える。一生の過程において、誰もがいちばんに願うのは、「健康な心と体」、そして「安心としあわせ」を感じることのできる社会環境であります。

こうした環境を構築するためには、その基盤となり、支えとなる、保健・医療・福祉・介護および教育の充実が強く求められます。 とりわけ本市の高齢者比率は38.6%で、今後、2.5人に1人が高齢者という状況を迎えることが予測されますが、高齢者の皆さんが、いきいきと生活し、活動されることは、まちづくりの原動力になることから、住み慣れた地域で、健康で、安心して暮らすことができるよう、交流活動、介護予防、福祉サービス等の充実に取り組んでまいります。

一方、少子化の進行は、地域活力に直接的な影響を及ぼす事項であり、次代を担う子どもを安心して産み、育てることのできる環境づくりは、極めて重要な課題のひとつと認識しております。 合併時より休止状態が続く、市内での出産医療体制の再開に向け、国・県および関係機関との連携を強化する中で、粘り強く取り組んでまいるほか、子育ての負担感を軽減し、安心して、出産・子育てができる環境整備・支援策を検討してまいります。

また、昨年末に発生した笹子トンネルでの痛ましい事故は、インフラの老朽化対策が国・地方を問わず喫緊の課題であることを顕在化させました。 本市におきましても、国が進める国土強靭化計画に呼応し、防災・減災対策、長寿命化対策に取り組むとともに、生活道路をはじめとする、社会基盤の整備についても計画的な実施に努め、市民の皆さんの安心安全を確保してまいります。

第3に、「にぎわいと活力」であります。 近年、豊かな自然環境や歴史・文化を求める観光に加え、地域独自の取り組みを活かした体験型観光や着地型観光、さらには特定ルートにとらわれない自由な観光への関心が高まりを見せ、観光ニーズは一層、多様化していると感じております。

本市には、幸いにも四季を通じて楽しむことのできる豊富な自然資源やイベントがあり、アクセスも、従来の中国自動車道、先月末に開通した松江自動車道と、東西南北に高速道路が整備され、さらに、庄原・東城・口和・高野と市内4ヶ所にインターチェンジを有し、全国的にもまれな優位性を持ち合わせております。 観光交流は、これらの資源や環境を最大限に活用することで、本市の「にぎわいと活力」を生み出す無限の可能性を秘めていることから、多くの交流人口を呼び込む施策に併せ、観光産業へと導くことが求められております。

このため、特産品の開発や特産物の販売促進、地域の「食」および文化の継承と活用、さらには農家民泊への取り組みなど、観光と農林業・商工業を一体的にとらえた観光産業の振興策を推進してまいります。 さらに、「にぎわいと活力」の創出には、若者の力が必要となります。若者の流出を抑制し、定住促進を図るためには、働く場の確保が不可欠であり、地元企業の事業拡大支援、新規企業誘致にも積極的に取り組んでまいります。

最後に「木質バイオマス事業」および「超高速情報通信網整備事業」並びに「防災行政無線施設整備事業」への対応でございます。 私自身、豊富な森林資源の活用による新産業の創出、森林保全による里山再生などへの取り組みは、必要であると認識しておりますし、多くの市民の皆さんにも異論はないものと存じます。 しかしながら、現在、中断しております「木質バイオマス利活用プラント事業」の継承の是非につきましては、慎重な判断が必要であることから、客観的かつ中立的な見地で検証していただく「検討委員会」を早期に設置し、その方向性を導き出してまいります。

また、今年度の当初予算審議において「新たな市長へ判断を委ねるべき」とされました、「超高速情報通信網整備事業」につきましては、市民の声はもとより、若者定住、企業誘致を進めるうえでも必要であると認識しており、同様に「防災行政無線」につきましても、災害時における緊急情報、平常時における行政情報の伝達手段として、不可欠なものと理解しております。 今後におきましては、これまでの協議経過や現在の整備計画を検証し、充当財源の見直しも含めて最適な事業形態を総合的に判断してまいりたいと考えております。

以上、所信の一端を申し述べましたが、新たな施策・事業を実施するためには、当然に必要な財源が伴うこととなります。 合併特例措置の終了により、普通交付税の段階的な縮減が危惧されますが、国においては、地方自治体の財政運営に支障を生じさせないよう、合併に伴う面積の拡大や集落の点在化に配慮した算定など、全般的な見直しに着手すると伺っており、その内容に期待を寄せるところでございます。 いずれにいたしましても、実質公債費比率をはじめとする、本市の財政指標は県内でも下位に位置しており、効率的かつ健全な行財政運営に一層の努力が必要となってまいります。

こうした状況も踏まえて行政経営改革に取り組んでまいりますが、単に削減・抑制ありきではなく、市民の声に応える視点をもって検討したいと考えております。 加えて市民の皆さんが元気になり、やすらぎを感じ、夢と誇りをもてる「庄原いちばんづくり」を念頭におき、市民生活に真に必要な事業、地域経済の成長につながり活力を生み出す事業など、優先順位を的確に見極める中で、まちづくり事業の着実な実施にも努力してまいります。

議員各位、並びに市民の皆さんに、ご理解とご協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げ、私の所信といたします。 ありがとうございました。

※「用語解説」のご連絡については、ウェブリオまでお問い合わせください。

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