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平成29年度施政方針

2月9日(木)に開催された本会議において、木山市長が平成29年度の施政方針を述べました。

(写真:本会議場で施政方針演説をする木山市長)H29施政方針演説

  1. はじめに
  2. 社会情勢の現状認識
  3. 市政運営の基本方針
  4. 予算編成の基本方針
  5. 庄原いちばんづくり
  6. 平成29年度主要施策について
  7. おわりに
はじめに

平成29年度当初予算案のご審議をお願いするにあたり、私の市政運営に対する一端を申し述べ、議員各位並びに市民の皆さんのご理解、ご協力を賜りたいと存じます。

まず、平成28年を振り返りますと、スポーツが生み出す感動と笑顔を市民の皆さんと一緒に分かち合い、まちの一体感とは、こうであると実感した、記憶に残る1年でございました。

昨年8月のリオ・オリンピックで本市出身の金藤理絵選手が金メダルを獲得され、私はもちろん、大勢の市民の皆さんに夢と感動、そして誇りを与えていただきました。
10月には金藤選手の凱旋にあわせ、本市では7人目となります、市民栄誉賞を贈るとともに、祝賀パレードを開催し、約8千人もの皆さんと一緒に、栄誉を讃え、祝福と感謝の意を表すことができました。

また、「庄原市カープ応援隊」を結成して12年、市民の皆さんがマツダスタジアムに駆けつけ、熱い声援を送り続けた、広島東洋カープが25年ぶりに悲願のリーグ優勝を果たし、金藤選手同様に、感動と元気をいただいたところでございます。
加えて、6年振りの開催となりました「大相撲庄原場所」では、大勢の皆さんが来場され、目の前で大相撲を見る貴重な機会に感謝の声をいただき、大盛況のうちに終了いたしました。関係者の皆さんに心よりお礼を申しあげます。

さて、平成25年4月に皆さんからのご支持・ご支援を頂戴し、合併後、2代目の庄原市長として市政の舵取りを託され、早4年の月日が流れようとしております。この間、多くの課題に直面しながらも、市政運営を推進できましたことは、市民の皆さん並びに議員各位のご理解とご支援の賜物であり、深く感謝申し上げます。

顧みますと、市民の皆さんとの対話に心がけ、要望やニーズの把握に努めながら、本市が抱える様々な課題を克服し、オール庄原による「夢の持てる活力ある庄原市」を築くため、「地域産業」、「暮らしの安心」、「にぎわいと活力」を柱とする「庄原いちばん」を掲げ、「やっぱり庄原がいちばんええよのぉ」と思える「まちづくり」に全力を注いでまいりました。

主な取り組みの成果といたしまして、比婆牛ブランドの復活、和牛TMRセンターの誘致、庄原産こだわり米のブランド力アップなど基幹産業の振興に加え、合併以降、懸案となっておりました「超高速情報通信網整備」につきましても、皆さんとの協議を重ね、最適な事業形態を選択し、事業化に至ったところでございます。

また、第3子以降の保育料無料化や乳幼児等医療費助成の対象拡大など、安心して子どもを育てることへの経済的支援をはじめ、本市への移住定住を促進する総合的な施策を展開してまいりました。
本市の定住施策を利用した新規定住者の実績は、平成24年度の9世帯19人が、平成27年度で31世帯73人、平成28年度も30世帯70人が見込まれており徐々にではありますが、その成果が現れ始めたものと受け止めております。

さらに、広大な市域を有する本市の魅力と資源に光を集め、それぞれをつなぐことで、全域を輝かせるための「にぎわいづくり」と本市の一体感の醸成やプロモーションを目的に、ヒバゴンとキョロやまくんを用いた、庄原いちばんロゴマークの作成等も進めてまいりました。

このほか、「比婆いざなみ街道物語」の一環で取り組みました、「日本誕生の女神 伊邪那美が眠る比婆の山」を発刊いたしましたところ、想定以上の好評を博し、伊邪那美神話の幅広いPRにつながり、大勢の観光客が訪れ、地域の皆さんから歓びの声をいただくなど、新たなにぎわい創出につながったところでございます。
これらの取り組みが実を結び、平成27年の本市への観光客数は287万5千人を超え、過去最高を記録いたしました。また、平成28年におきましても、6月に食彩館しょうばらゆめさくらの累計来訪者は400万人、12月には国営備北丘陵公園が900万人を達成するなど、本市に大勢の方が訪れております。

こうした4年間の取り組みにより、手応えを感じている一方で、引き続き克服すべき課題も山積いたしております。
とりわけ、市内での産科医療再開につきましては、市長就任以来、極めて重要な課題と認識し、精力的に働きかけてまいりましたが、実現に至っておりません。
しかしながら、小児科医師の確保を含む診療所と病児病後児保育施設の整備に関しましては、先般、ご議決を賜りましたことから、産科医療再開の実現に向けた一歩を踏み出すことができました。
なお、子育て支援施設と放課後児童クラブにつきましても整備に向けた検討を行なってまいる所存でございます。

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社会情勢の現状

次に、本市を取り巻く社会情勢でございます。

国においては、人口減少・少子高齢化に対応した社会システムの構築を待ったなしの課題とし、働き方改革や女性の活躍など「一億総活躍の国創り」を打ち出しております。
とりわけ、内閣総理大臣の施政方針演説にもありましたとおり、引き続き「地方創生」を重要課題に位置付け、地方の発意による、地方のための分権改革を推進し、地方の意欲的なチャレンジを全力で応援するとしております。
本市におきましても、平成27年度に策定いたしました「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、「庄原の創生」を展開しているところでございますが、引き続き、本市の資源や特色を最大限活かした、創意工夫による事業を提案してまいります。

広島県政に目を転じますと、平成29年度県政運営の基本方針において、「中山間地域の地域力強化」を掲げられ、その一環として本年3月から11月にかけまして、県民参加型の大規模プロジェクト「ひろしま さとやま未来博2017」が開催されます。
この取り組みは、中山間地域の豊かな資源を活用し、里山の魅力を未来へつなげる地域づくりとして、イベントや地域活動等への支援事業を展開するもので、ご案内のとおり、旧小鳥原小学校を舞台とした「廃校リノベーション」のほか、様々な催しが計画されており、この「さとやま未来博」を通じて、本市の魅力を積極的にPRしてまいります。

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市政運営の基本方針

次に、平成29年度の市政運営における、基本的な方針を述べさせていただきます。
まず、第1に、平成28年3月に策定いたしました「第2期長期総合計画」の着実な推進でございます。

ご案内のとおり、目指すべき、まちの姿・将来像に「美しく輝く里山共生都市~みんなが"好き"と実感できる"しょうばら"~」を掲げ、重要な指標となります平成37年の目標人口は、合計特殊出生率の上昇、社会増への転換を前提として国立社会保障・人口問題研究所の推計人口を約3%上回る「3万2千700人以上」と設定いたしております。

平成27年度実施の国勢調査の結果、本市の人口は3万7千人で、合併後の10年間で6千人以上の減少となっております。さらに、平成25年に国立社会保障・人口問題研究所が推計した人口を300人以上下回っていることから、改めて、この厳しい現実を受け止め、職員一丸となって「第2期長期総合計画」に基づく各施策を展開してまいります。

また、将来像の実現と目標人口達成には、市民の皆さん、議員の皆さん、本市出身者などの縁のある皆さんと意識・課題を共有した「まちづくり」が不可欠であることから、引き続き「オール庄原」体制を呼びかけ、総合的な取り組みを実行してまいる所存でございます。

第2は、「庄原いちばんづくり」を深化させる取り組みでございます。
市長就任以来、「やっぱり庄原がいちばんええよのぉ」と思える「庄原いちばんづくり」の分野別政策・施策及び事業を推進するため、最優先で取り組むべきものを取りまとめました「庄原いちばん基本計画」を策定し、事業推進に努めたことによりまして、冒頭にも触れましたとおり、多くの成果を紡ぎ出し、随所に手応えも感じているところでございます。
今後、本市の将来像を具現化し「"ふるさと庄原"を未来へつなぐ」ためには、「庄原いちばんづくり」を更に深化させる必要があると考えております。
このような思いを胸に、これまでに培った経験や新たな時代の風を読み、「次代につながる庄原市」の実現を確かなものとするため、このたび新たな「庄原いちばんづくり」を策定いたしました。
この「庄原いちばんづくり」の対象期間は、平成29年度から32年度までの4年間とし、第2期長期総合計画を基底に今後、重点的に取り組む施策等を整理、体系化しております。

なお、この分野別政策及び施策に基づき、「選択と集中」の原則を踏まえまして、地域経済の活性化に効果が高く、地域の将来にインパクトを与える基幹施設整備事業のほか、今後の市政における新機軸となる事業を「重点事業」に位置付け、取り組みを強化・促進してまいります。

第3は、財政健全化への取り組みでございます。
平成17年3月の新市誕生と時を同じくして、国の進めた構造改革及び三位一体改革により、新市の財政運営は危機的状況に陥りました。
このため「行政経営改革大綱」を柱として「持続可能な財政運営プラン」や「公債費負担適正化計画」を策定し、歳入確保と歳出削減に努めた結果、財政指標はまだまだ厳しい数値ではございますが、実質公債費比率の改善をはじめ、本市の財政構造は着実に好転している状況にございます。

しかしながら、普通交付税は、合併算定替による特例措置の段階的縮減が終了となる平成32年度に約19億円減少する見込みであり、加えて、普通交付税の算定に用いる国勢調査人口の減少に伴う、さらなる縮減も予測されております。

こうした背景により、直面する厳しい財政状況を克服し、行政サービスの継続的な提供、第2期長期総合計画や庄原いちばんづくりの着実な推進を図るため、あらゆる視点での歳入確保と歳出削減を念頭に、新たな「持続可能な財政運営プラン」を策定し、中長期を見通した財政基盤の構築に取り組んでまいります。

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予算編成の基本方針

続きまして、当初予算の編成に対する基本的な考え方及び概要について、ご説明申し上げます。

昨年12月に策定いたしました「財政計画」及び「公債費負担適正化計画」に基づき「第2期長期総合計画」に掲げる将来像、「美しく輝く里山共生都市」の実現に向け、市民生活に直結する先送りできない事業へ配慮しつつ、「前期実施計画」及び「庄原いちばんづくり」に掲載した施策・事業を最優先とした編成に努めたところでございます。

まず、歳入でございますが、合併算定替の特例措置の段階的な縮減が3年目を迎える普通交付税につきましては、平成28年度当初予算との比較で約6.8億円の減額を見込んでおります。
一方で、市税につきましては、海外経済の不確実性などを背景に、法人市民税の減収が見込まれるものの、固定資産税では、企業の設備投資による償却資産の増加等の要因により増額を見込んだことから、トータルでは平成28年度を上回ると想定いたしております。
また、引き続き、財政上有利な「過疎対策事業債」や「合併特例債」の充当に加え、「地域振興基金」の活用などによって普通建設事業の財源確保に努めたところでございます。

次に歳出では、斎場整備や小児科診療所整備事業に伴い、平成28年度当初予算との比較で、衛生費が増額となった一方、公債費負担適正化計画に基づく市債発行に取り組んできた結果を受け、公債費は計画どおり減額しており、加えて土木費でも、国庫補助事業の内示動向を踏まえた編成を行ったことなどから減額となっております。
その他、各種事業の決算状況も踏まえ、事業内容の精査等による歳出の抑制にも努めてまいりましたが、歳入歳出の収支均衡を図るため、財政調整基金の一部取り崩しを見込んでおります。
厳しい財政状況ではございますが、にぎわいと子育て環境の充実により、「次代につながるまちづくり予算」が編成できたものと考えております。

以上の結果、平成29年度一般会計の予算規模は、平成28年度対比で、0.8%減の303億1,252万5千円となり、特別会計及び企業会計を加えた全体の予算規模でも、1.4%減の470億8,065万6千円となりました。

なお、市民生活に直結した事業を遅滞なく実行するとともに、地域経済の停滞を回避するため、「切れ目のない」予算執行が必要と考え「通常予算」で編成いたしました。

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庄原いちばんづくり

それでは、当初予算案に基づき、市政運営の基本方針に掲げました新たな「庄原いちばんづくり」の分野別政策・施策体系に沿って、主な重点事業について、ご説明申し上げます。

ひとつには、「地域産業のいちばん」でございます。
本市の経済・雇用を底支えしてきた農林業や商工業等の潜在能力を高め、強靭かつ、しなやかな地域の産業構造を構築するとともに、先人により培われてきた伝統を継承しつつ、新たな中山間地域の課題解決に資する技術を導入することで「庄原の強み」を最大限活用した産業モデルの構築に努めてまいります。

まず、経験の蓄積により研ぎ澄まされ、これまで本市経済を支えてきた地域産業に受け継がれた経験・技術の粋を集め、時代の潮流を捉えた新たなノウハウを導入しながら、地域の産業を維持・発展させ、更なる高みをめざす「新たな可能性で切り開く持続的な地域産業の構築」でございます。

主な事業といたしましては、先般、誘致が決定いたしました和牛TMRセンターの円滑な運営を行なうため、コントラクター組織の立ち上げを支援し、和牛農家の経営安定化や地域資源の有効活用につなげてまいります。

次に、「地域資源を活用した新たな"食の魅力ブランディング"」では、本市の農林産物は生産量のみならず、その質についても全国の消費者から高い評価を得ており、既存資源のブランディングにとどまらず、新たな「食の魅力」の発掘にも力を入れることで、より広く「食の宝庫庄原」をPRしてまいります。

主な事業として、比婆牛のブランド力をより一層高めるため、地域団体商標を活かした市場開拓のほか、生産基盤の強化に対する支援を継続してまいります。
また、マツタケ山の環境整備に対する奨励制度を新設し、山林整備と特用林産物の生産増進を図るほか、遊休農地を活用したワイン用ぶどうの栽培をめざして、県立広島大学へ本市に適した品種選定の研究をお願いすることとしております。

さらに、有害鳥獣対策で捕獲したイノシシ等の処理施設を整備し、捕獲促進に加え、ジビエやペットフードとしての有効活用も進めてまいります。

次に、「技術革新による産業モデルの構築と雇用基盤の確立」では、具体的な事業といたしまして、平成28年度「地方創生加速化交付金」を活用し取り組んでおります、ドローン活用推進事業を継続し、操縦講習会やシンポジウム等、新たな視点による地域経済の活性化に努めてまいります。

ふたつには、「暮らしの安心のいちばん」でございます。
地域の未来を担う子どもから、日々の暮らしを重ね、地域の歴史を創ってこられた高齢者まで、全ての世代の皆さんが、安らぎと静穏に満たされた活力ある生活を営むことができるよう、仕組みと基盤を整えてまいります。

まず、「子育ては庄原がいちばん!」と胸を張って宣言できる「安心を実感できる子育て環境の整備」でございます。
主な事業といたしましては、本市の子育て世代に、大きな安心感をもたらす環境を構築する「こども未来広場」として、小児科診療所と病児病後児保育施設を早期に整備してまいります。
なお、放課後児童クラブとひだまり広場につきましては、今後、保護者や関係者の皆さんとの協議を重ね、最適な形態を総合的に判断してまいりたいと考えております。
また、小児科診療所の開設に伴い、市内で子どもを出産できる準備環境が向上することから、産科医療体制支援の充実を図ってまいります。

次に、住み慣れた地域での暮らしを望む高齢者の方々が、安らぎ溢れる日々のなかで生涯を送っていただくための「高齢者の生活に対応するコンパクトな基盤の整備」でございます。
具体的な事業として、比和地域に高齢者冬期安心住宅を整備するとともに、新たな整備地域につきましても調査・検討してまいります。

次に、「安心安全で快適な生活基盤の確保」では、日々の暮らしを支える基盤施設や設備の整備にあたり、限りある財源を効果的に投入し、本市全域での持続可能な市民生活の確保に努めてまいります。

主な事業では、超高速情報通信網整備事業の着実な推進により、平成28年度で整備が完了する東城地域に加え、平成29年度は庄原地域、西城地域が完了し、平成30年度には市内全域で超高速インターネットと住民告知放送の利用が可能となる予定でございます。

また、平成28年度より取り組みを進めてまいりました、新焼却処理施設整備事業につきましては、昨年12月に候補地選定検討委員会より、意見書が提出されたことを受けまして、現在、地元説明等の取り組みを行っておりますが、引き続き、市民・関係者の皆さんへの丁寧な説明に努め、ご理解をいただきながら事業を進めてまいります。
なお、ゴミの焼却時に発生する熱の有効活用についても検討してまいります。

次に、「次代を活躍・牽引できる人材の育成」では、本市の小・中学生が新たな時代を自らの手で拓く素養を身に付け、活躍できる学習環境を整えます。

主な事業として、外国語指導助手による指導体制を確立し、全ての小中学校で外国語教育を充実させるとともに、ICT活用教育モデル事業では、個々の生徒・児童に対応した「分かる授業」、「魅力的な授業」の実現に向け、中学校のモデル校へ「タブレット端末」を導入し、その活用について実証研究を行います。

最後に、「にぎわいと活力のいちばん」でございます。
本市に縁のある方々の力を得ながら、活力の源である人口を維持するため総力を結集するとともに、本市で生活する人や訪れる人の動線を見つめ直し、多様な資源を用いた効果的な連携軸を描くことで、新たな潮流を創出してまいります。

まず、「人口ビジョンに基づく将来人口維持と地域課題解決への挑戦」では、客観的なデータに基づき将来を見通した地域における「人口ビジョン」を市民の皆さんと共有し、的を絞った取り組みや人材確保の視点を持った移住施策、持続可能な地域の維持に向け、若者の定住に効果的な施策を実施することで、人口減少社会へ果敢に挑戦してまいります。

主な事業といたしまして、結婚を希望する皆さんを支援するため、自己啓発や出会いの場の提供に努め、カップル誕生から成婚へ、さらには定住への期待を込めました「しょうばら縁結び事業」の充実に努めます。

さらに、転入者の住宅取得・改修にかかる一部助成の拡充・継続に加え、定住支援員を全地域に配置するほか、空き家バンク事業の充実など、平成28年12月に策定いたしました「庄原市定住支援アクションプラン」を着実に推進してまいります。

次に、公共施設に求められるニーズ・機能を的確に把握し、施設のあり方を見つめ直し、都市機能の充実と、「まち」の新たな動線を生むことで、にぎわいを喚起する「新たな『にぎわいの潮流』の創出」でございます。

主な事業として、市民会館・庄原自治振興センターをはじめ、庄原市街地に点在する公共施設のあり方につきましては、平成28年度に、市民会館の移転改築、現在地での改築、大規模改修などを想定した概算事業費の試算等を行っており、平成29年度では、関係部局の連携のもと、市民アンケートの実施など、調査検討を進めてまいります。

さらに、市民の皆さん等のご意見を反映させるための検討委員会の設置など、多角的な視点から将来を見通し、市街地の公共施設のあり方を整理し、平成30年度には、「市街地公共施設再編構想」をお示しする予定としております。
また、全国的にも稀な社会実験として、「国営備北丘陵公園北口エリア」の一部に、入園料が不要となる交流ゾーンを設置し、情報発信や物販等の拠点の場として活用する方向で、平成29年夏のオープンに向け、国や関係団体と協議会を設置し議論を進めているところでございます。
協議が整いますと、備北丘陵公園に訪れる年間約50万人の来園者に、本市の魅力を直接伝えることが可能となることから、市街地のにぎわいや市内全域の観光地等への誘導に最善を尽くしてまいります。

次に、「多様な地域資源を結び、輝かせる連携軸の構築」では、豊かな自然が育む上質な食材、風光明媚な観光資源、おもてなしの心に溢れる優しい人々など、本市が誇る様々な資源を活用し、地域の活性化につなぐ仕掛けを構築してまいります。

主な事業といたしまして、比婆いざなみ街道物語推進事業では、庄原観光いちばん協議会に比婆いざなみ街道部会を設置し、街道沿線で市民の皆さんや団体が連携する取り組みや、街道の認知度を上げるシンボルイベントを開催し、沿線地域の活性化を促進してまいります。

また、花と緑のまちづくり推進事業といたしまして、国営備北丘陵公園、さとやまオープンガーデン、豊富な山野草など、本市が誇る「花と緑」の観光資源を連携させ、周遊観光の促進や一体的なPR活動を行うことで、「花と緑のまち・庄原」の認知度を高めるとともに、新たな「花街道」構想を描いてまいりたいと考えております。

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平成29年度主要施策について

次に、「第2期長期総合計画」に掲げました基本政策の体系に沿い、そのほかの主な施策概要をご説明いたします。

"絆"が実感できるまち(自治・協働・定住)
まず、自治・協働・定住の分野「"絆"が実感できるまち」でございます。
「自治・協働の推進」では、地域マネージャー制度の拡充等により自治振興区の活動・運営に対する支援及び自治振興センターの計画的な改修を継続するほか、高校生・大学生をはじめ、市民活動に取り組む皆さんを応援し、活力ある「まちづくり」を推進してまいります。

「人権尊重社会」及び「男女共同参画社会」の実現に関しましては、新たに制定された法律の情報収集など、国の動向を注視するとともに、講演会や啓発事業の実施により、人権意識の高揚と人権教育の推進に努めてまいります。また、女性相談員の継続設置によるDV被害者の相談等、支援に取り組んでまいります。
「定住の促進」では、地域おこし協力隊員を7名配置し、比婆いざなみ街道物語等の事業を推進するとともに、新たに隊員の定住支援にも取り組んでまいります。

「効果的・効率的な行財政運営」では、政策立案や行政実務等において、他自治体等の先進事例を調査研究し、組織の活性化を促すため、各部に予算を確保し、部長直轄のもと、所属職員の視察研修を促進いたします。
市税等に関しましては、公平な市民負担を確保する観点から、より一層の滞納対策、収納率向上に努めてまいります。

"にぎわい"が実感できるまち(産業・交流)
次に、産業・交流の分野「"にぎわい"が実感できるまち」でございます。
「農林水産業の振興」では、「農業振興計画」及び「林業振興計画」に基づき、将来にわたって持続的に発展していく施策を、重点的に実施してまいります。

農業の分野では、近年、全国のコンクールで、庄原産の「こだわり米」が高い評価を受けている実績を踏まえ、トータルなブランドイメージを定着させ、生産拡大に向けての素地を整える「ブランド米推進事業」を継続いたします。
また、広島県が本市で取り組む「大規模キャベツ生産団地構想」に対し、引き続き、団地の整備支援、参入企業との協定に基づく事業を推進してまいります。
有害鳥獣対策では、防除柵等の設置に対する支援と有害鳥獣処理施設の整備により防除・捕獲の両面から対策を強化し、農作物への被害軽減を図ってまいります。

畜産の分野では、和牛の飼育及び乳用牛の導入助成など、畜産経営の安定化を図る支援を継続するほか、9月に開催予定の全国和牛能力共進会への出品に向け、JA庄原との連携・支援を続けてまいります。
また、国の「強い農業づくり交付金」を活用し、養鶏事業者の飼養施設拡大整備を支援いたします。

林業の分野では、豊富な森林資源を活用した産業の振興・活性化が大きな課題と認識いたしており、「ひろしまの森づくり事業」の有効活用のほか、持続的な林業経営、森林整備や木の駅プロジェクトに取り組む個人・団体への支援に加え、有効・有益な事業の可能性について、企業等の協力と連携を得ながら研究してまいります。

「商工業の振興」では、本市の中小企業を取り巻く現状、課題とニーズを踏まえ、事業活動の活性化を図るため、平成28年度、現行制度の見直しと新たな支援制度を整備いたしました。
「人材育成キャリアアップ事業」のほか、「産業見本市等出展支援事業」を新設したほか、「雇用拡大」、「事業継続」、「創業」、「研究開発」の分野でも支援制度を充実させており、小規模企業等の事業活動を後押ししてまいります。

また、企業誘致につきましては、工業団地が概ね分譲となったことから、新たな工業団地造成の模索や工場跡地、遊休地等の活用を視野に入れ、交通アクセスの優位性や超高速ブロードバンド環境など本市の特性を前面に出し、粘り強い働きかけを行ってまいります。

「観光交流の推進」では、「観光振興計画」に基づき、本市の基盤を生かした観光地域づくりを推進することとし、本市ならではの特色あるプログラムの開発により、体験型教育旅行の積極的な誘致に取り組んでまいります。
また、訪日外国人観光客が増加する背景を踏まえ、本市へ誘致するためのプロモーション活動を行うとともに、多言語パンフレットの作成など、官民連携のもと受け入れ体制の充実に努めることといたします。

"快適な暮らし"が実感できるまち(環境・基盤・交通・情報)
次に、環境・基盤・交通・情報の分野「"快適な暮らし"が実感できるまち」でございます。
「道路網の整備」では、「道路整備基本計画」に基づき、新たに着手予定の9路線を含む、計46路線の市道改良を進めつつ、既存の道路施設等の計画的な維持修繕によって長寿命化を推進し、利便性と安全性の確保に努めてまいります。

「情報通信基盤の整備」では、超高速情報通信網の整備に併せまして、光ファイバー網を使用した公共施設への公衆無線LAN整備を継続し、「Wi-Fi」によるインターネットへの接続環境を充実することで、市民・観光客の皆さんの利便性を拡大いたします。

「上下水道」の分野では、平成29年度より簡易水道事業を水道事業へ統合することとなりますが、下水道事業につきましても公営企業会計への移行準備を進めるほか、上水道拡張事業や合併処理浄化槽の整備に加え、計画的な更新・長寿命化に取り組み、安定的な水の供給、水質保全と快適な生活環境の維持・改善を図ってまいります。

「生活交通の充実」では、新たにJR芸備線の総合的な対策について研究するための組織を設置し、効果的な取り組みを実行してまいります。

「住宅施策」では、引き続き、平成32年度の完成に向け、東城地域の川西公営住宅建替えに伴う実施設計に着手するほか、現在、市内全域で実施中の「空き家調査」による実態把握に基づき、空き家の所有者に対し、適正管理に関する啓発等を行なってまいります。

「市街地の活性化」では、「庄原駅周辺土地区画整理事業」及び「庄原地区都市再生整備事業」を計画的に進めるとともに、平成29年度より、「東城地区都市再生整備事業」に着手し、都市基盤の整備と市街地の環境充実に努めてまいります。

「生活の安全確保」では、「消費生活相談員」及び「生活安全相談員」の配置を継続し、相談対応や情報提供等により、市民生活の安心安全を確保するほか、消防団員の活動に対する装備の充実を図るとともに、常備消防高野出張所のポンプ車更新等を予定しております。

「平和事業の推進」では、核兵器の廃絶と恒久平和の実現を訴え続けるため、セミナーやパネル展などの啓発事業に取り組むとともに、平和首長会議等を通じて、平和な社会の持続を働きかけてまいります。

「環境衛生の充実」では、一般廃棄物処理基本計画に基づき、平成29年度より市全域で衣類の分別収集を実施し、可燃ごみの減量化と資源の再生利用に取り組むほか、「庄原市斎場再編整備計画」に基づく、「新庄原市斎場」整備では、平成30年11月の供用開始をめざし、事業を進めておりますが、平成28年度には敷地造成工事が完了することから、平成29年度より建築工事に着手することといたします。
さらに、東城「平安の森」駐車場の拡張整備により利便性と安全性を確保してまいります。

"あんしん"が実感できるまち(保健・福祉・医療・介護)
次に、保健・福祉・医療・介護の分野「"あんしん"が実感できるまち」でございます。
「子育て支援」では、引き続き、中学3年生までの「医療費助成」と同時入所の有無等に関わらず「第2子保育料の半額」、「第3子以降の保育料無料化」により、子育て世帯の負担軽減を図ります。
「高齢者の自立支援」では、第7期となる「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」を策定するほか、「地域包括ケアシステム」の構築にあたり、医療・介護・地域が連携して、高齢者の「住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けたい」という思いを支える体制を充実してまいります。

「障害者の自立支援」では、法に基づくサービスや事業を適正に実施するとともに、「障害者差別解消法」の趣旨を踏まえ、障害に対する理解を深める研修や啓発事業を継続するほか、障害者関係団体への支援により、交流や社会参加を促進してまいります。

「地域福祉の向上」では、「地域福祉計画」に基づき、協働ネットワークを構築し、地域福祉に対する関心と機運の醸成を図るとともに、多様な主体の役割分担による生活課題への対応により、誰もが安心して暮らせる地域づくり施策を推進いたします。

「健康づくりの推進」では、「健康づくり計画」及び「食育推進計画」に基づき、健康意識の醸成や疾病予防、食を通じた生活習慣病予防などを推進するほか、新たに、40歳・60歳の節目年齢到達者を対象とした歯周病検診を実施いたします。
また、平成29年度末の完成に向け、健康増進施設「あけぼの荘」改築の建築工事に着手してまいります。

「医療の充実」では、庄原赤十字病院における高度医療・専門医療の充実、救急医療体制の確保等に対する支援を継続するほか、地域に欠かすことのできない診療所の医療機器更新などにより、医療・診療環境の充実に努めてまいります。
また、西城市民病院では、医師の確保・定着支援、医療機器の更新など、地域の包括ケア拠点施設として、良質な医療の提供と持続的かつ安定的な運営に努めます。

「社会保障制度関係」では、生活保護に至る前段の支援策として「住居確保給付金」の支給を継続するほか、生活困窮者が困窮状態から早期に脱却するための包括的・継続的な相談支援を行います。

また、国民健康保険及び介護保険を適正に運用するため、健康づくりの推進や、介護予防策として取り組んでおります「シルバーリハビリ体操」の普及拡大に努め、医療費の抑制と安定した事業運営につなげてまいります。

"学びと誇り"が実感できるまち(教育・文化)
最後に教育・文化の分野「"学びと誇り"が実感できるまち」でございます。
「学校教育の充実」では、中学生を対象にグローバルな人材育成を目的とした、英語検定料の一部助成とイングリッシュキャンプを継続いたします。
また、引き続き「中学校合唱コンクール」を開催し、生徒の感性を高め、豊かな情操を育むとともに、同世代の一体感が「ふるさと愛」につながる取り組みとして定着させてまいります。
施設整備では、いよいよ、庄原小学校の改築が最終年度を迎えるほか、老朽化した学校施設の修繕工事などを計画的に進め、教育環境の充実・改善を図ってまいります。

なお、小中学校の適正規模及び配置の検討につきましては、昨年12月に検討委員会から提出されました提言書を尊重しつつ、丁寧な議論を念頭に、具体的な取り組みに向けた基本方針や基準などの策定を進めることといたします。
「生涯学習・社会教育の充実」では、第3次となる「子供の読書活動推進計画」のもと、読書意欲の醸成および読書環境の充実を図ってまいります。

「芸術・文化の推進」では、地域文化振興事業や文化活動団体への支援を継続するほか、市内で発掘された貴重な出土品を収蔵・活用する施設として、旧田川小学校の改修に取り組みます。

「スポーツの推進」では、第2期となる「スポーツ推進計画」のもと、レベルアップスポーツ教室、各種スポーツ大会への支援などを継続し、年齢・性別を問わず心身の健全育成を推進いたします。
施設整備では、総合体育館の屋根の大規模修繕工事に着手するほか、庄原市スポーツ広場の照明をLED化するなど、快適な環境整備に努めてまいります。

「家庭・地域の教育力の向上」では、新たに、児童生徒の学習支援を目的に、地域社会全体で子どもを育む、地域未来塾事業を実施するほか、小・中学校での取り組みをはじめ、教育活動を広く市民の皆さんに知っていただき、一緒に教育を考え、創り出す土壌をつくるための「教育フォーラム」を継続いたします。

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おわりに

以上、平成29年度の主な施策・事業について、ご説明申し上げました。
冒頭にも触れましたとおり、これまで4年間の「庄原いちばんづくり」の取り組みにより、徐々にではありますが、その成果が現れはじめております。こうした成果をより一層確実なものにするため、「新たな庄原いちばんづくり」のもと本市の最重要課題と捉えた、「人口減少」の抑制に挑戦してまいります。

人口減少の抑制は、今日明日で解決できる簡単なことではありませんが、議員各位、市民の皆さんをはじめ、自治振興区、企業、各種団体や出身者の皆さんなど、「オール庄原」の力を結集し、未来を見据えた粘り強い取り組みが必要不可欠でございます。

この4年間、各地域での行事や市民活動等へ積極的に参加する中で、本市には、自治振興区をはじめ、それぞれの地域や団体などあらゆる分野で頑張る「人」が大勢おられることを実感するとともに、「自分たちの地域を、さらには庄原市をより良くしていこう」という情熱や姿勢、地域力を肌で感じてまいりました。

こうした市民の皆さんの熱い思いを受け止め、「地域産業」、「暮らしの安心」、「にぎわいと活力」を柱とした施策を着実に積み重ねることで、必ずや人口減少の抑制につながるものと確信しております。

最後になりますが、金藤選手が体現してくれました、決してあきらめることなく、努力を続けることの大切さや、地域を支える「人」たちの活動を市政運営の糧として、「美しく輝く里山共生都市」の実現、さらには「やっぱり庄原がいちばんええよのぉ」と思えるまちづくりに、全身全霊を傾注し、市政を預かる者としての責務を果たしてまいる所存でございます。

議員各位、並びに市民の皆さんのご理解とご協力を心よりお願い申し上げ、私の施政方針といたします。
なお、予算以外の議案として、「庄原市行政組織条例の一部を改正する条例」など、条例案14件、そのほか「庄原市監査委員の選任に同意を求めることについて」など、55件を提案いたしております。

どうか、慎重なご審議をいただき、ご議決を賜りますようお願いいたします。
ご清聴ありがとうございました。

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