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平成23年度施政方針

平成23年度施政方針.jpg平成23年第2回庄原市議会定例会の開会にあたり、市政運営に取り組む一端を申し上げ、議員各位ならびに市民の皆さんのご理解、ご協力を賜りたいと存じます。

平成17年3月の合併という時代の大きな変革期を経て、新庄原市の初代市長として、私に託された二期目も折り返し地点を迎えようとしております。

この間、大規模な自然災害をはじめ、極めて厳しい経済・雇用情勢、急速に進展した国の構造改革、さらには危機的な財政状況など、様々な試練が待ち受けておりました。私は、市民の皆さんの生命と財産、そして暮らしを守るという使命と職責の重さを日々かみしめながら、常に「市政の基本は市民」との認識のもと、市民の皆さんが「満足と幸せ」を感じる市政の実現を心がけてまいりました。

とりわけ合併後は、「庄原市長期総合計画」を柱とし、「げんき」と「やすらぎ」を実感できるまちづくりの創造に向けて、市民の一体感を醸成し、一体的な地域発展を進め、さらには「お互いさま」と言える「協働」と「補完」の共生社会の実現を目指し、様々な施策を展開してまいりました。

また、市政運営に当たっては、市民の皆さんとの対話を重視しながら、ふれあい市長室の継続実施や市政懇談会の開催などを通して、市民参加の機会を拡充し、「開かれた市政」の運営にも力を注いでまいったところでございます。

こうした取り組みを進める中で、「自らのまちは自らで創る」という理念のもと、自治振興区による地域特性を活かしたまちづくりが進められ、また、子育て支援センターの整備やファミリーサポート事業による支援の輪の広がり、さらには、木質バイオマスなどの地域資源を活用した新しい形態の事業が芽生えるなど、持続可能なまちづくりへと繋がる様々な「地域活性化へ向けた共生の芽」が生まれ、着実に育ってきていると実感しております。

さて、昨年を振り返りますと、7月16日に発生した未曾有のゲリラ豪雨災害は、限られた特定の地域に大きな被害をもたらし、市民の皆さんの心の中にも、その傷跡を残すこととなりました。亡くなられた方やご親族の皆さんの無念さ、これまで心血を注いで守り抜き、暮らしを支えてきた家屋・田畑を一瞬にして失われた被災者の方々の深い悲しみを思いますと、今も胸が締め付けられる思いがいたします。改めて、心から哀悼の意を表するとともに、被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。

また、この度の豪雨災害では、自衛隊、警察、消防、消防団をはじめ、国や県の職員、企業や団体の皆さんには、昼夜を問わず連日救助活動やライフライン復旧に向け献身的な対応をいただきました。さらに、災害直後から避難所での炊き出しに奔走してくださった方々、大量の土砂に覆われた家屋の片付けに駆け付けていただいたボランティアの方々、支援物資、義援金や見舞金をお寄せいただいた方々など、多くの皆さんより、ご尽力ご厚情を賜りましたことに対しまして、心から敬意を表しますとともに、深く感謝申し上げる次第であります。

「和を以って貴しと為す」聖徳太子が604年に制定した、17条憲法の第1条がございます。私たち日本人は古来より、自らを自然の一部とし、共に喜びや悲しみを分かち合い、互いに助け合い、励ましあって、共に生きてまいりました。この「和」の精神が、この度の災害に際しても活かされ、九死に一生を得、絶望の淵から明日への勇気と希望を見出された方も少なくありません。私は、これこそが、日本人の社会規範の根幹をなすものであり、現在の我が国の政治・経済・社会すべての分野において、最も必要とされているものではないかと思います。

市行政としては、お寄せいただいた多くの支援者の志をしっかりと受けとめ、災害復旧・復興対策を最優先とし、被災者の方々が一日も早く心安らぐ生活を取り戻せるよう鋭意努めてまいります。また、自然災害に万全の備えをし、人の命を守ることは自治体に課せられた重要な責務であります。私は、このたびの経験を今後の防災施策に活かし、安全・安心なまちづくりに向け全力を挙げてまいりますことを、ここに固くお誓い申し上げます。

世界情勢に目を向けますと、今年に入り中東諸国では、長期独裁政権の抑圧の中で、貧困と格差社会に対する国民の不満が、民主化への高まりとともに、強権体制への批判となって民衆蜂起の波が広がっております。

権力と富とは、往々にして表裏一体にあり、権力は、権力を手にした時から堕落を始めるということを、しっかり認識しておく必要があります。「どんな英雄も最後には鼻につく人物となる。」と19世紀アメリカの思想学者エマーソンは言っております。この度の「民衆蜂起」は、歴史の必然と見るべきなのかもしれません。

人は、貧しさを憂いているのではなく、等しからざるを憂いているのです。国民誰もが自由、平等で、希望を持って、活き活きとして、人の温かみを感じながら生活できる社会を望んでいるのです。

世界はいま、激動のうちに、緊張緩和と民主化を基調とする新たな時代を迎えようとしております。経済のグローバル化が進展する中、調和のとれた社会の実現へ向けた秩序ある改革の進展を一心に望むものであります。

また、国内に目を転じますと、20 年以上にわたり低迷してきたわが国経済は、本格的な回復軌道には至らず、慢性的なデフレが続いております。何より深刻な財政状況のもと、少子高齢化の進展、生産年齢人口の減少は否応なく進み、社会の閉塞感、将来への不安感が高まっております。

さらに、こうした状況に追い討ちをかけるかのごとく、政府は、マニュフェスト等の政策のブレから、国民の暮らしや企業活動にも影響する新年度予算関連法案の年度内成立にも苦慮し、国民には、混迷を深める政治への絶望感さえ広がりつつあるように見えます。

国においては、現下の雇用情勢や社会不安に対応するため、まずは、政治の信頼を回復し、日本全体のグランドデザインを描き、「経済成長」、「財政健全化」、「社会保障改革」を一体的に実現し、元気な日本を復活するための礎を構築すべき時であります。

政治の要諦は、実施される政策を通じて「富を再分配すること」にあると思っております。富めることは、各々が努力し得ることが出来る、民主主義の根幹であり、これを否定しているのではありません。富を持つ人が、生活弱者を助けることができる「富の再分配」機能をもった社会システムを構築することが重要ではないかと考えております。

本市においても、国内景気の低迷が、経済の疲弊と雇用情勢の悪化を招き、市の財政のみならず、市民の暮らしにも大きな影響を与えております。依然として先行き不透明な経済情勢、引き続く農林業の衰退や医師不足などの社会保障機能の低下により、市民生活は様々な荒波に揉まれております。

人口につきましても、昨年の国勢調査による平成22年10月1日現在の人口は40,255人であり、平成17年の前回調査より2,894人減少しております。人口減少は、市の一般財源の柱である地方交付税の減額に結びつくだけでなく、雇用や医療など暮らしを支える機能の低下を招きかねず、地域活力の衰退に直接的な影響を与える深刻な問題と受けとめております。

このような状況も踏まえ、経済対策として、一昨年の第1次緊急経済・生活支援対策以降、昨年3月の第4次経済危機対策まで、総額約51億円の経済危機対策を実施いたしました。一連の対策実施の結果、生活・雇用・融資・住宅などの相談や、緊急生活安定資金の特別貸付け件数は減少し、市内経済の一定の下支えが図られているものと判断しております。

引き続き、先の2月の臨時議会でご承認いただきました第5次となる経済危機対策において、地域生活の安心へと繋がるインフラ整備や自殺予防、DV対策、さらには、障害者への支援を中心とした安全・安心な地域生活基盤を確立し、平成23年度へかけ切れ目なく、その施策展開を図ることとしております。

なお、人口減少・少子化問題は、人それぞれの生き方、価値観にかかわる問題を含んでおり、少子化を阻止する即効薬はないと言わざるを得ません。がしかし、将来への安心が担保されれば、結婚問題も含め、多くのことが解決されることは、これ自明の理であります。抜本的解決策とならないとしても、市行政としては、企業誘致、住環境の整備、定住対策、保育・教育の質的向上と地域の支援などを通して、社会全体で子育て支援を行うというシステムの構築を目指し、総合的な対策を着実に推進してまいる所存でございます。

それでは、平成23年度における市政運営について、基本的な考え方を述べさせていただきます。

現在直面している困難に立ち向かい、新しい歴史を築いていくのは、今を生きる私たちの責務であります。私は、常に、今のこの舵取りが市の将来を大きく左右するとの認識を持ち、しっかりとした現状認識のもと、私たちがその足元を固め、次代の社会基盤を築き、子どもや孫たちにつないでいく確かな未来を自らの手で描きださなければならないと、その重責を強く感じております。

先程申しました中東の情勢不安の一因には、食糧価格の高騰がございます。世界では今、トウモロコシなどの穀物が投機ファンドの的となり、食糧価格は上昇し、発展途上国などに深刻な影響を及ぼしております。

地球上では、今なお10億人が満足に食することも出来ず、貧困に喘いでおり、一部の個人・企業の利益のために多くの人々が苦しむ状況は、決して許されるべきではありません。

人々がともに助け合う「共生の理念」の共有こそが、今まさに求められているのです。

世界の人々の想いが「共生の理念」に集約されるなら、その夢はやがてカタチになり、新しい未来の展望が開けてくると信じております。

私は、この「共生の理念」を常に念頭に置き、住民に最も身近な基礎自治体の長として、市民の暮らしと福祉を守ることを第一に、市民の不安を払拭し、夢と希望を持って暮らせる社会の実現へ向けて、次の大きな2つの視点をもって、市政の運営にあたってまいります。

1点目は、重点戦略プロジェクトの推進であります。

「一体感の醸成」を図る中で「一体的な発展」をめざすことが、新市の進むべきまちづくりの方向であるとの認識のもと、平成18年度に策定した長期総合計画の将来像である「"げんき"と"やすらぎ"のさとやま文化都市」を実現するため、実施計画を策定し、財政状況を見極め、社会・経済情勢に即応した事業を「選択と集中」の視点にたって推進してまいりました。

引き続き、「一体的な発展」に向け、道路や上下水道、生活交通などの都市基盤の整備や教育基盤の充実、さらには産業振興や医療環境の整備など、地域の実情に応じた事業を「庄原市長期総合計画・後期実施計画」に基づき、着実に実施してまいります。

特に、重点戦略プロジェクトである『みどりの環』経済戦略ビジョンにおける「農業自立振興プロジェクト」、「木質バイオマス活用プロジェクト」および「観光振興・定住促進プロジェクト」の3つのプロジェクトを推進してまいります。中でも、市の基幹産業である農業は、国政においてTPP協議への参加が検討されるなど、重大な分岐点に差し掛かっており、農業の衰退、雇用の減少など多大な影響を危惧しております。「農」こそが国の基との強い信念のもと、「農」の確立に向けて最善を尽くしてまいります。

2点目は、未来を見据えたまちづくりの推進であります。

この困難な時代を乗り越え、地域社会が持続的に発展するためには、市民の信頼と連帯のもと、市民との協働による未来を見据えたまちづくりを推進する必要がございます。

21世紀は縮小の時代と言われる中で、地方自治法の抜本的見直し案においては、自治体の自由度の拡大と規制緩和の方向性が示されております。自由度の拡大は、「自己決定・自己責任」の領域の拡大を意味し、結果として自治体間の行政サービスには差異が生じるとともに、それがそのまま自治体の姿、さらには未来のまちづくりに反映されてまいります。自治体経営は正に新たな局面を迎えつつあると認識すべきであります。

私は、「市民力と地域力」を信頼し、市民の皆さんの意見に積極的に耳を傾け、一緒になって地域に根ざしたまちづくりを進めることが、庄原市の新たな発展の礎になると確信しております。

市民の皆さんには、冒頭で触れました「和」の精神が脈々と息づいており、本市のかけがえのない強みと捉えております。この「和」の精神を活かし、自治振興区を中心とした「市民が主役のまちづくり」、さらには、「個性豊かな地域づくり」へ着実な歩みを進めてまいります。

市が再び活気や賑わいを取り戻し、人をつなぎとめておくには、地域の個性を前面に押し出すことが必要であり、市内各地域の多様性こそが、市全体の発展の源泉となるとの認識に立ち、平成20年度から、「クラスターのまち実現プロジェクト」に取り組み、地域資源を活かした「ふるさと」づくりを進めております。

現在、庄原市の北の玄関口として、「道の駅」の整備を進めている高野地域においては、行政と地域住民が一体となって、大根・りんごといった多彩な農産物や雪などの地域資源を活かし、農業と観光を基軸とした地域づくりを進めております。今後さらに、玄関から奥座敷へといざなう仕組み・仕掛けづくりに取り組むことにより、本市の強みである農村・農林業資源を最大限活用したまちづくりを市内全域に広げていきたいと考えております。

こうした取り組みを通して、それぞれの地域が個性を発揮する中で、各地域を有機的に結び、連携、発展させることにより、地域と市全体がともに発展する「ネットワーク型」の未来都市の形成が図れるよう、意欲的に取り組んでまいります。

長期総合計画に掲げる本市の将来像の実現に向け、引き続き、ゆるぎない信念のもと弛まぬ努力を積み重ねる「不易流行」の思いを胸に、さらなる挑戦を市民の皆さんとともに推し進めてまいります。

どうか、皆さんのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

つづいて、平成23年度予算の運営方針についてご説明いたします。

本市の財政運営につきましては、公債費負担適正化計画に基づく市債残高の減少や実質公債費比率の着実な改善により一定の成果を挙げてきており、将来にわたって、財政健全化への取り組みを維持するための新たな段階に移ったと言えます。今後は、現下のような経済変動や社会構造に即応し、新たな行政需要にも対応できる強固で弾力的な財政基盤の確立に向けた取り組みを、さらに進めていかなければならないと考えております。

平成23年度の予算運営につきましては、財政状況の健全性を保ちつつ、市民が安心して暮らせるまちづくりを目指し、緊急を要する災害復旧・復興対策への集中投資を行うとともに、自主自立した持続的なまちづくりを進めながら、長期総合計画における将来都市像の実現に向けて、庄原中学校移転改築事業や庄原保育所移転新築事業、さらには、高野地区観光交流ターミナル整備事業といった、必要性、緊急性、重要性の観点から特定事業として位置付けた事業をはじめ、後期実施計画に掲げた事業を着実に進めることを基本といたしました。

このような考え方のもと編成いたしました平成23年度予算案の規模は、

一般会計では、対前年度比2.5%増の325億1,426万5千円

特別会計では、対前年度比3.8%増の133億6,614万9千円

企業会計では、対前年度比7.5%減の 25億3,182万5千円

となりました。比和財産区特別会計を加えた市全体の予算規模は、対前年度比2.3%増の484億2,302万8千円で、合併年度以降、初めて前年度を上回ることとなりました。

では、平成23年度の主要施策について説明申し上げます。

まず、最優先に取り組むべきは、昨年発生しました各種災害復旧への対応でございます。国の災害査定は全て終了し、現在実施設計に基づき随時工事を発注しており、早期完了を目指し最大限の努力をいたします。今もなお、住み慣れた地を離れ避難生活を余儀なくされている多くの被災者がおられる中で、市行政として、一日も早い災害の復旧と安心できる生活基盤の整備に向け、広島県との連携により、重点的に取り組む所存でございます。

つづいて、新年度の主な事業について、長期総合計画に掲げた基本政策の体系に沿ってご説明いたします。

「協働の力で笑顔が輝くまち自治・協働」について申し上げます。

成熟した現代社会において、地方分権の本来の目的である個性豊かで活力に満ちた地域社会を実現するためには、市民の皆さんをはじめ自治振興区、NPO、ボランティア、企業など多様な主体である「住民自治」と市役所である「団体自治」が、自治の両輪として、協働と補完により課題解決や施策の推進がなされる中で、「まちづくり」が進められるべきであると認識しております。

協働のまちづくりでは、市民と行政が一体となってまちづくりを推進し、地方自治の確立を図るため、市民や行政の役割などを示す「まちづくり基本条例」の策定に向けた取り組みを進めます。加えて、新たに集落支援員制度を導入し、自治振興区の活動補助、運営支援を推進します。

また、自治振興区活動と生涯学習活動を融合し、「地域づくり、ひとづくり」を展開する複合拠点施設として、「とうじょう自治総合センター」の整備事業に着手します。

人権尊重・男女共同参画の社会づくりに向けては、学習機会の提供、講演会の開催など、人権意識の高揚と人権教育の推進に取り組み、また、女性がいきいきと活躍できる環境の実現に向けた男女共同参画プランの後期計画の見直しのほか、新たに女性相談員を設置し、DV相談など支援の充実を図ります。

また、災害復旧やプロジェクト事業等への対応を図るため、習熟度の高い人材を確保する職員再任用制度の導入など、組織の部門・分野別の専門性を高め、時代要請にフレキシブルに対応できる組織機構となるよう体制の見直しを行います。

市税等の徴収については、税負担の公平性の確保と滞納整理を促進するため、県職員を市職員に併任し、滞納整理や徴収技術の向上を支援する個人住民税併任徴収制度を平成23年度から実施し、徴収支援体制の強化と滞納整理に毅然として取り組みます。

つづいて、「さとやま資源の活用で地域が輝くまち産業・交流」について申し上げます。

本市の基幹産業である農業を巡る状況は依然厳しく、収益性の低さなどから離農が進み、食料供給力の低下や農業の有する多面的機能の低下がより深刻化しております。一方、経営ノウハウや資本力、流通販売力、情報収集力等を活用した企業の農業参入により新たな農業の可能性にチャレンジする例も見られるなど、農業への「新しい風」を感じており、この風を追風へと導いていかなければなりません。

まず、農業振興では、小規模農家等の所得向上と農業後継者の育成・支援・確保を目指すとともに、農業生産法人等の設立と育成など、国や県の制度と独自施策を組み合わせながら、基幹産業である農業の振興に努めてまいります。

畜産振興では、和牛の共同飼育や肥育経営の安定化対策など、畜産経営を継続支援するとともに、全国和牛能力共進会への出品を目指し、JA庄原とともに指導等の支援を行います。

林業振興においては、「木質バイオマス活用プロジェクト」をこれまでの林業施策と一体的に推進し、地球温暖化対策としての森林整備や保水機能強化など災害に強い森林づくり、さらには生業としての林業振興施策など検討してまいります。

特に有害鳥獣対策では、近年イノシシをはじめとする鳥獣による農産物への被害が拡大し、農地荒廃の増加、農家の生産意欲低下を招いていることから、鳥獣被害防止総合対策への助成や有害鳥獣捕獲対策の実施など、防除、捕獲の両面から対策の強化・拡充に努めます。

商工業の振興では、買い物場所、移動手段などの生活インフラが弱体化している地域の既存店舗に対して、改修費用の一部を助成する「最寄り買い店舗改装支援事業」を新たに実施し、地域活力の再生を目指します。

観光産業の推進では、庄原の観光ポテンシャルをより高めるため、市内観光客へ向けた施設案内板の充実整備に努めるとともに、国の登録有形文化財に登録された三楽荘の有効活用を図ります。また、中国横断自動車道尾道松江線の全線開通に向け、高野観光交流ターミナル「道の駅」の土地造成工事などに着手します。

新たな地域産業の創出では、しょうばら産学官連携推進機構と共同して県立広島大学研究開発助成事業の成果の地域還元を目指します。また、広島県の未来創造支援事業として支援を受け、高野の逸品100プロジェクトや産学官連携のもと雪室施設を活用した高野地域の農産物ブランド化・特産品開発などに取り組みます。

つづいて、「自然との共生で暮らしが輝くまち環境・基盤・定住」について申し上げます。

地球温暖化をはじめとする地球規模での環境問題が顕在化する中、本市の豊かな自然を次世代に確実に引き継いでいくため、自然環境の保全や自然と共生する循環型社会の形成が求められております。

循環型社会の構築では、住宅太陽光発電システム等設置補助事業の実施や木質ペレット製造施設における森林資源の活用など、自然エネルギーの利用促進と普及啓発を推進し、循環型社会の構築に努めます。

地域情報化への取り組みでは、本年7月の地上デジタル放送完全移行に向けた共聴施設の改修を行うなど、引き続き、難視聴地域の解消を進めます。また、将来の統合型GIS(地理情報システム)の導入を踏まえ、市道再編計画の策定にあわせた道路台帳、防犯灯台帳、除雪網データなどの電子化を図り、情報の適切な管理・活用による市民サービスの向上に努めます。

なお、光ファイバー網の整備については、事業の再検討、再調査を進めて参ります。

道路の整備促進では、継続30路線に加え、新たに川手山根線ほか計10路線の市道改良事業に着手します。また、中国横断自動車道尾道松江線の早期全線開通に向けての事業協力を行うとともに、江府三次道路の全線整備や国道・主要地方道の改良促進など、関係市町と連携した対応に努めてまいります。

なお、庄原市道路草刈り交付金事業については、地域からの要望を受け、メートルあたりの助成金額を拡充し、地域の負担軽減と道路環境の保全および機能の向上を図ります。

農業生産基盤の整備では、農業経営の安定および合理的な管理を行うため、西城法京寺地区をはじめとする、ほ場、水路、農道の整備を進めます。

都市環境の整備では、市街地における賑わいの創出と基盤整備を図るため、庄原駅周辺地区土地区画整理事業を推進し、また、新たに東城都市再生整備事業の一環として「五反田堰切線」、「東城駅裏線支線」の改良事業に着手します。

水道事業では、安全かつ安定した給水へ向け、庄原地区の「第7期拡張計画」に基づき、小用・三協地区の水道拡張事業をはじめ、帝釈簡易水道の浄水施設整備や東城久代東簡易水道の水道事業への統合を進めます。

下水道事業では、東城市街地および庄原市街地周辺区域の公共下水道の整備並びに高野湯川地区の農業集落排水施設の整備を継続して実施し、集合処理区域以外については、引き続き合併処理浄化槽の整備により、公共用水域の水質保全と快適な生活環境の改善に努めます。

住宅整備では、庄原・東城地区の2団地の下水道接続など市営住宅の住環境改善に取り組み、新たに、雇用促進住宅の庄原・東城宿舎4棟160戸を取得し、市民住宅として活用いたします。

消防体制の充実では、防火水槽、消防ポンプなどの消防設備を計画的に整備・更新するほか、常備消防では、庄原署高野出張所の下水道接続等、施設整備を実施します。

また、生活交通では、自治振興区が主体となって移動手段の確保を行う「市民タクシー事業」を21地区に拡大して実施するほか、地域生活バスの運行など交通弱者へ支援を継続して行うとともに、「生活交通再編計画」に基づく実施計画に沿い、事業者・利用者・行政・地域住民など様々な主体が連携し、誰もが安心して暮らすことができる持続可能な生活交通体系の構築に引き続き取り組みます。

消費生活・防犯では、多様化・複雑化する消費者トラブルなどの相談に迅速・適正に対処するため、消費生活相談の窓口を週5日に増やし、消費生活相談員を継続設置するとともに、新たに東城地域に生活安全相談員の設置を拡充するなど、地域の安全安心なまちづくりを進めます。

つづいて、「心と体の健康づくりで命が輝くまち保健・福祉・医療」について申し上げます。

生まれ、育ち、暮らす、一生の過程において誰もが一番に願うのは、健康な体と心、そして安心を感じることができる生活環境です。活力ある地域社会を築いていくため、子どもから高齢者まで、すべての市民が健康で、安心して生活できる環境づくりをさらに推進する必要がございます。

医療および保健の充実では、平成24年度から28年度までを計画期間とする、新たな「庄原市健康づくり計画」を策定し、「疾病予防」と「元気づくり」を計画的に進めます。

平成25年度竣工予定の庄原赤十字病院大規模増改築工事に対し、建設補助と償還助成を行い、建物の安全面確保や診療機能強化を図るとともに、麻酔科医師、救急勤務医の確保支援や庄原市医師会と連携した休日・夜間の診療体制の確保など、市内の救急医療対策の充実・強化を図ります。

また、婦人科外来診療体制の維持へ向けた支援とともに、出産医療再開への取り組みを継続し、加えて、母子保健事業の充実へ向けた幼児こころの発達相談事業拡充や不妊治療費の新規助成事業に取り組みます。

子育て支援の充実では、子育て家庭の交流や育児相談の実施、出産祝い金の支給、市内17箇所の放課後児童クラブの運営など、次代を担う子ども達の健やかな成長と育成を支援し、安心して子育てができる環境づくりに努めます。また、新年度より発達障害への対応、児童虐待予防の観点から子育て支援センターへ保育士および発達支援員各2名を増員し配置いたします。

保育所の施設整備では、耐震化対策や良質な保育環境の整備のため、庄原保育所移転先の造成工事や、旧高野中学校跡地への(仮称)高野保育所建設事業に着手します。

高齢者の自立支援では、ひとり暮らし高齢者等巡回相談事業やデイホーム事業、さらには、老人クラブ活動助成に加え、新たに庄原市シルバー人材センター企画提案方式事業補助など、高齢者の活動推進に向けて取り組みます。また、高齢者への福祉施策や介護保険制度を円滑に実施できるよう、平成24年度から平成26年度までの第5期「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」を策定します。

障害者の自立支援では、作業意欲の促進と施設の運営支援を目的とした作業意欲促進助成金、市内に整備される「福祉ホーム」の運営補助金を創設するほか、外出機会の拡大に向け、福祉タクシー券の交付を年間60枚から72枚に拡充いたします。また、重度障害者介護手当の支給、小規模事業所の送迎費用や通所交通費への助成、経験豊富な相談員による個別の相談・支援など、本市独自の施策展開により、障害者の福祉向上と自立促進に努めます。

つづいて、「ふるさとを愛する心で人が輝くまち教育・文化」について申し上げます。

いつの時代も、地域の活力の源は意欲に溢れた人材、特に若い力であり、社会が持続的発展を図るには、子どもたちの健やかな育成が不可欠であります。人権尊重の精神を全ての教育の根底に置き、子どもたちの視野・能力を広げ、社会に対応できる"豊かな人間性"と"郷土を愛する心"を培うための学校教育を創造するとともに、市民一人ひとりが、心豊かに人生を送ることができる生涯学習の充実や、伝統文化の保存・継承、芸術文化の振興を図ります。

学校教育では、平成22年に実施された全国学力・学習状況調査や広島県「基礎・基本」定着状況調査を踏まえ、思考力・判断力・表現力等を育成する指導方法の改善に取り組みます。また、特別支援教育支援員の配置、専門家による巡回相談事業を継続実施することにより、障害をもつ児童生徒の個に応じた適切な支援の充実に努めます。

学校施設整備においては、庄原中学校の校舎棟・特別教室棟の改築、東城小学校校舎改築および東城地域学校給食施設新築に係る基本設計などに取り組みます。また、全域の小中学校への車止め設置や体育用砂場改修、スクールバスの更新など、安全・安心な教育環境の整備に努めてまいります。

生涯学習の推進では、自治振興センターおよび公民館を中心とした生涯学習活動をさらに推進し、地域づくり・人づくりの拠点として、住民主体・住民参画のまちづくりを積極的に進め、また、人権教育においては、市民の人権意識の高揚と人権教育の推進を図るため、各地域に人権教育推進委員を委嘱し、公民館・自治振興センターを中心に学習会や講演会などを開催します。

地域文化の振興と継承では、重要無形民俗文化財「比婆荒神神楽」の現地公開への支援のほか、指定文化財の解説本の作成や文化財ボランティアガイドの養成なども行います。

スポーツの振興では、子どもから高齢者まで、それぞれの段階に応じた体力の向上を図るため、幅広いニーズに対応した事業をスポーツ関連団体と連携して実施し、また、西城温水プールで新たに水夢フェスティバルを開催するなど地域スポーツへの参加機会の拡大に努め、体育施設の利用促進を図ってまいります。

終わりに、「重点戦略プロジェクト」について申し上げます。

農業自立振興プロジェクトでは、「農業による定住社会の復活」を目指し、新規就農者へ向けた「営農指導員設置事業」や「かんたん就農塾事業」、また農業後継者の育成へ向けた「農業後継者育成事業」に取り組みます。

また、「がんばる農業支援事業」や「繁殖用和牛共同飼育推進事業」に加え、繁殖用和牛と乳用牛を対象とした受精卵導入への助成、和牛導入への利子補給、土づくりによる地域ブランド化事業などの施策展開により、農家所得の向上と地域農業の底上げを図ってまいります。

さらに、プロジェクトの重要な一翼を担う庄原市農林振興公社に対しては、円滑な事業推進に向け、農作業受託業務に必要な農業機械の計画的な修繕整備を行います。

木質バイオマス活用プロジェクトにおいては、ペレットストーブ等の購入助成や公共施設へのペレット機器導入等をはじめとする需要拡大により、ペレット事業の安定的な成長を図るとともに、木質バイオマスを有効利用する事業を展開することにより、林業再生や地域活性化、さらには美しい里山環境の復興に取り組みます。

最後に、観光振興・定住促進プロジェクトでは、「庄原さとやま博」で多くの皆さんにさとやまの素晴らしさを体感していただけるよう、魅力ある体験メニューやバスツアーなどを企画し、市内全域へと回遊する導線を描き、市民が儲ける仕組みづくりを構築し観光消費額の拡大を図ります。また、英語や中国語版の庄原観光パンフレットを新たに作成し、庄原市の魅力を国内外にも発信します。さらに、市営工業団地への企業誘致や新婚世帯への家賃補助など若年層へも配慮した施策を継続することにより、交流人口、定住人口の増加を目指してまいります。

以上、平成23年度の主要施策について、ご説明申し上げてまいりました。

「おもしろきこともなき世をおもしろく」幕末を生きた長州藩士高杉晋作の辞世の句です。

今の世の中、不景気と沈んでおりますが、それを作るのも人間。それを変えるのも人間。そして、太古から、そんな浮き沈みは、人類が常に通ってきた道。そして、それを変革していったのも、我々人間。「おもしろく変える」のは、まず我々自身であり、我々でなければなりません。

下の句も良いですね。「すみなすものは心なりけり」と詠まれ、「面白いのう」と言って、晋作は目を閉じたそうです。

人口も経済も右肩上がりの拡大期が早期に再来することは期待できません。厳しいことは覚悟しております。閉塞感、沈滞感が漂う現状の中で、私の持てる力の限りを尽くして、誰もが住んでよかった、住み続けたいと心から実感できる魅力ある庄原市の実現、また、市民の誰もが自然な気持ちで「お互いさま」と言い合える「共に生きる共生社会の実現」に向け、さらなる努力を積み重ねてまいる所存でございます。

「今日の成果は、過去の努力の結果であり、未来はこれからの努力で決まります。」という言葉がございます。先人たちの努力があって現在の庄原市がございます。今を生きる私たちには、自らの知恵と努力によって未来を切り拓いていく責任があります。私は、その思いを力に、皆さんの先頭に立って、これからも進取果敢に市政運営に取り組んでまいります。

議員各位、並びに市民の皆様には、何とぞ、一層のご支援とご協力をいただきますよう、重ねてお願い申し上げ、施政方針とさせて頂きます。

なお、予算以外の議案として、「庄原市職員の再任用に関する条例」など、条例案14件、「財産の無償譲渡」など、その他40件を提案しております。

どうか、慎重なご審議をいただき、ご議決を賜りますよう、お願いいたします。

最後になりましたが、木質バイオマス活用プロジェクトの一環として進めておりました事業が、提携先である、環境ベンチャー企業の経営破綻により休止状態となり、その帰趨につき、議員各位並びに市民の皆さんに大変ご心配をおかけしておりますが、現在、この事業の継承につき関係者間で鋭意努力しております最中でございますので、今しばらく時間を頂きたくお願いいたします。

成否を含め、一定の方向性が定まりましたら、直ちにご報告させて頂く所存でございます。

私の、この事業への取り組みにつき、甘い判断が、このような事態を惹起したこと、誠に申し訳なく、ここに深くお詫び申し上げます。

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