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平成18年度施政方針

平成18年度施政方針.jpg3月7日(火)の本会議において、滝口市長が平成18年度の施政方針を述べました。

(写真:本会議場で施政方針演説をする滝口市長)

平成18年第2回庄原市議会定例会の開催にあたり、市政運営に取り組む所信の一端を申し上げ、議員各位並びに市民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

新市誕生から2回目の春を迎えました。

輝く山々、澄んだ水、四季おりおりに彩りを変える豊かな自然は、何ものにも替えがたい本市の財産でございますが、時として大きな災害をもたらすことを、改めて痛感いたしました。

昨年末の予期せぬ豪雪は、死者3名、重軽傷者24名、740棟を超す住宅被害に加え、果樹や施設を含めた農業被害額は3億3千万円におよび、現在もなお、市内各地に大きな傷跡を残しております。亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、負傷された皆様、被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げますとともに、一刻も早い回復・復旧を願うものでございます。

さて、平成の大合併と称されました全国規模での市町村合併は、新合併特例法の施行に後押しをされる中で今後も進展が予想されますが、県内においては予定された再編が完了し、14市・9町の23市町で18年度を迎える状況でございます。とりわけ中山間自治体における合併目的や地域課題、厳しい社会環境は一様で、本市を含めたこれら自治体は、あらゆる方策を検討・実践し、まさに「生き残りをかけた挑戦」を展開しなければ、その存続さえも危ぶまれる状況に至っていることを再認識しております。

なお、本年4月1日において、本市と同様に1,000平方キロメートルを超える区域面積の市町は、北海道内の12を含め、全国で24市町が見込まれております。

一方、昨年末からの社会状況を振り返りますと、耐震強度偽装事件、IT企業の証券取引法違反、大手ホテルの不正改造事件など、極めて悪質な不正行為が明らかとなり、バブルと呼ばれた好況期の中で蓄積された現代の病が、一気に表面化し、社会に対する不信感を増幅させております。

また、小泉政権の改革路線も、最終章を迎えております。改革を否定するものではありませんが、日本の歴史を築き、基盤を支えてきた中山間地域を切り捨て、都市偏重の社会構造に転換しようとする改革は、国土の崩壊につながることを予感させ、今後の行方を危惧せずにはおられません。

近年、都市住民の地方に対するシンパシー、共鳴・共感が希薄になっていることも気にかかります。

田舎があり、都市があり、相互に役割を担う中で国土が保全され、社会が成立していることを、国民が改めて認めなければならないと思うものでございます。

経済の論理、強者の論理だけに国の行く末を委ねてしまうのか。それとも共生の論理に基づく国づくりを構築するのか。この国の未来を決定づける歴史的選択が迫られていると申しても過言ではありません。

国勢調査が実施され、平成17年10月1日現在の人口は43,151人。5年前に比べ2,527人減少との速報値が公表されました。この人口減少は、一般財源の柱である地方交付税、2億3千万円程度の減額に結びつくだけでなく、地域活力に直接的な影響を及ぼす事項であり、本市の深刻な課題のひとつと受けとめております。

「なせばなるなさねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。江戸時代、逼迫した財政難からついには破綻した米沢藩を、粘り強い努力で再生に導いた第9代藩主「上杉鷹山(ようざん)」の歌でございます。

過疎化の進行、基幹産業の衰退、危機的な財政状況など、現実は誠に厳しく、逆風や閉塞感から抜け出せない状況でございますが、平成18年度の市政運営にあたっては、この歌を胸に刻み、何もしなければ何も変わらないことを改めて自覚するとともに、苦しい今こそ、「逃げない」「ごまかさない」「あきらめない」強い意志をもって、「生まれた人が誇りを持ち」「暮らす人がしあわせを感じ」「訪れる人が喜びを享受できる」"まちづくり"に取り組んでまいります。

また、私の市政運営をコメづくりに例えるならば、1年目は田を耕し、一部、早生(わせ)品種の種をまきました。新年度は、早生品種の発芽と合わせ、主力米の種をまき、本格的な春の農繁期がスタートするという心境でございます。

コメづくりが、知恵と経験を集約し、額に汗する農家の皆さんの努力によって営まれるように、"まちづくり"も、過疎化・少子化をはじめとする諸課題を克服するために、職員、議員、市民が一緒になって英知を結集し、共に汗を流す必要があることは言うまでもございません。「コメができた」ではなく、共に「コメをつくる」という意欲と行動によって、花を咲かせ、多くの実を結ばせ、市民の皆様とともに収穫の喜びを分かち合いたいと強く願っております。

私は、昨年、広大な市域に存在する個性や財産を発展へ向けての可能性、魅力と捉え、それらの活用によって諸課題を克服し、「一体感の醸成」を図る中で「一体的な発展」をめざすことを、庄原市の進むべき方向として掲げました。

その実現に向けた4つの視点に関し、現状の報告並びに基本認識を申し述べさせていただきます。

第一に、新市建設計画の着実、かつ、円滑な推進であります。

この計画は、新市の総合的・効果的な建設を目的とし、「"げんき"と"やすらぎ"のさとやま文化都市」を将来像に掲げた「まちづくりの基本計画」であります。

計画で示された建設事業のうち、平成21年度までの全域事業・地域事業に関しましては、財政計画、公債費負担適正化計画に基づく財政状況を考慮するとともに、地域審議会のご意見もいただく中で、昨年11月に実施計画として整理いたしました。

掲載事業の実施・実現に向け、全力で取り組む考えに変わりはございませんが、本市を取り巻く財政環境は一段と厳しさを増し、財政計画の下方修正が必要となっていることも事実として受けとめなければなりません。合併により経常経費の大幅な節減を図り、また図ろうとする中でのこの現実は、合併がなければ「身動きできない自治体」を生じていたことを意味するものであり、三位一体改革が自主財源の乏しい小規模自治体に対し、直接かつ冷淡に影響を及ぼしていることを痛切に感じております。

こうした中でも、平成18年度の普通建設事業は、総事業費ベースで実施計画の96%、新規・前倒し事業等を除く単純比較でも91%を確保し、地域活力の増進に配慮した内容としております。

実施計画に掲げた事業の推進は、私の使命でありますが、自治体の持続的発展を維持することもまた、当然の責務でございます。今後の事業執行に当たっては、常に全体・未来を見据える中で適切な選択を導き、将来に夢と希望が持てる「さとやま文化都市」の建設に努めてまいります。

なお、本年12月を目標として、自治体の最上位計画に位置付く「長期総合計画」の策定に着手しております。策定後の市政運営においては、総合計画の内容に沿うことが基本となりますが、建設計画・総合計画とも市の進むべき道筋を示す重要な指針であり、相互に整合を図る必要があること、合併して最初の総合計画であることなどを踏まえ、基本理念、将来像等は、建設計画の趣旨を尊重することとして、鋭意、作業を進めておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。

次に、里山環境を守り活用するふるさとの創造であります。

本市の将来像に掲げた「さとやま文化都市」とは、地域を育む豊かな自然と、この地に暮らした先人が共生する中で形成された「里山環境」に改めて目を向け、里山が育む知恵や資源を継承・活用することによって構築される、なつかしく、美しく、新しい「日本のふるさと」と捉えております。

50年ほど前、中国山地に抱かれたこの地では、8万人あまりの人々が暮らし、市街地は活気にあふれ、家族・近隣が助け合い、子どもたちは山や川、収穫の終わった田んぼを走り回り、まさに、日本のふるさとの原風景がございました。

しかし、高度経済成長をはじめとする社会変動の中で、人口が激減し、「お互いさま」と声をかけあった地域の関係が薄れ、また、遠目には美しい自然景観でさえも、雑木と風倒木が混在する裏山、雑草が生い茂りイノシシに荒らされた田畑など、そこには心までも寂しさを覚える「ふるさと」の一面があることを否定することはできません。

なぜ、こうなったのか。どうすれば暮らしの中に「理想とするさとやま」を感じることができるのか。反省と挑戦を繰り返しながら、引き続き「新しいふるさと」の創造に努力してまいりますが、「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」。まさに実現の鍵は、地域の歴史と資源の中に温存されていると確信しております。

基幹産業である農林業の再興、地域の資源と環境を活かした新産業興し、交流人口の獲得に留まらない観光産業化への展開など、経済効果の発生を明確な目標に掲げ、新しい発想や特別な仕組みも取り入れながら構想から実践への取り組みを進めてまいります。

次に「協働」と「補完」のまちづくりの実践でございます。

協働は、「協力して働く」と書きます。行政と、個人・地域・団体・企業などを含めた市民が、理解・協力し合うだけでなく、お互いが汗を流し喜びを分かち合える"まちづくり"が求められております。

広大な市域の中で、すべての市民・世帯を対象とする自治振興区の実践活動は、地域・ふるさとに対する熱い想いを内外に伝え、まさに"協働するまち"の象徴として誇らしく存じており、加えて旧市町単位の連絡協議会、全市対象の連合協議会が設立されるなど、組織的な整備も進められております。

「さとやま文化都市」建設に向けた基礎・基盤の組織であることはいうまでもなく、今後ますますの活動展開に大きな期待を寄せるものでございますが、リーダーの育成や情報の共有化など、個別課題があることもお聞きしており、引き続き各方面での活動支援に留意したいと考えております。

また、法律の改正を契機として、市の公共施設を民間団体で管理する「指定管理者制度」が本格実施となります。従来の管理委託と異なり、使用許可、使用料の徴収など、権限の一部も含めて市民の皆さんに管理をお願いするものであり、「補完のまちづくり」という観点からも意義深い第一歩であると思っております。

「協働と補完」。難しい表現でございますが、その趣旨は「個人ができることは個人で、地域でできることは地域で、民間でできることは民間で行なうことを基本とし、行政が担うべきことを総合的に判断・実行すること」と理解しており、至極、当然といえば当然の考え方であります。

この、あたりまえの思想が、社会変動や住民ニーズの多様化など、時代の流れとともに「行政が担うことがあたりまえ」という感覚に変化した印象がございます。今、再び「求められるまちづくりの方針」として認知された「協働と補完」は、かつての里山生活の中で実践されていた発想であり、私たちの潜在的な意識・意欲を呼び覚まし、ご理解もいただく中で各種の施策展開に努めてまいります。

最後に、行政経営改革の推進でございます。

現在、内部検討・審議会での議論を踏まえ「行政経営改革大綱」の策定に取り組んでおりますが、自治体経営の視点で「顧客志向」「成果志向」「マネージメント発想」という民間の経営理論・管理手法を導入し、顧客・納税者としての市民満足の向上、職員・市民の意識改革、市民との協働実践の推進、さらには行政評価システムへの展開も視野に入れた内容で整理することとしております。

具体的な例示としましては、150あまりの施設を対象とした指定管理者制度への移行により、管理経費の節減、サービスの向上、利用手続きの簡素化等を図るほか、合併効果として要請されております職員の削減については、西城市民病院の技師職を除く本年4月の総職員数を650人に設定し、昨年4月との比較で17人(2.5%)、合併前の平成16年4月との比較で70人(9.7%)の減を見込んでおります。

加えて申し述べますと、行財政運営は「最少の経費で最大の効果を得ること」が基本でございますが、本市の財政は、既に「厳しい環境」の域を超え、危機的状況に至っていることを再認識しております。

こうした中で必要なことは、「変わる」、「変える」という「変革」の意識であり、従来と同じ考え、同じ手法、同じ環境では、同じ結果しか得られません。もしくは同じ結果すら得られないことも覚悟しなければなりません。

確かに合併によって行政の枠組みや環境は大きく変わりました。しかし、交付税の削減をはじめ、国と地方の関係も変動しており、職員も市民も、まずは意識・考え方を変える必要がございます。

行政が行う事務事業は、「すべきこと」「できること」「したいこと」に分類されますが、現行業務の抜本的な見直し・総点検に着手し、「行政が担うのがあたりまえ」ではなく、「行政がすべきこと」「市民・民間でできること」「市民・民間が担うことが効果的なこと」などを精査・検証する中で、官民の役割の明確化を図り、手法・経費等を含め、総合的な視点での業務の選択・判断をしてまいりたいと考えております。

ご理解をいただきたいと存じます。

次に平成18年度予算編成の基本方針についてご説明いたします。

景気回復の基調が鈍い本市の経済環境の中で、市税、とりわけ法人市民税の落ち込みが予想されております。加えて国勢調査人口の減少や三位一体改革の影響による普通交付税・特別交付税の大幅な減額が見込まれ、一般財源の確保は17年度以上に困難な状況となっております。

こうした中にあっても、夢あるまちづくりを推進するため、実施計画の着実な実施、緊急を要する施設整備への集中投資、福祉・教育・農業分野における事業の重点化など、選択と集中に基づく予算計上に留意したほか、有利な条件を前提とした地方債の発行、財政調整基金および地域振興基金の取り崩し、さらには合併効果としての職員の削減はもとより、4役の報酬減額の継続、「給与構造改革」に基づく給与水準の引き下げ、施設管理の委託料をはじめとする物件費の縮減、徹底した内部事務の見直し等、財源の確保と経常経費の抑制に努めたところでございます。

一般会計の予算規模は、302億3,855万7千円で、平成17年度当初予算額を7.3%下回る内容となっておりますが、平成17年度の地域振興資金35億円の積み立て部分を除きますと、3.8%の増としております。

それでは、新市建設計画の施策体系に沿って、主要事業に関し、ご説明申し上げます。

まず、「分権自治の確立」でございます。

前段、述べましたとおり、自治振興区は、地域運営の基盤組織として意識・期待感の高まりとともに地域に定着してまいりました。

引き続き活動支援と活性化を図るため、振興交付金、活動促進補助金、地域ビジネス起業の補助金を交付するとともに、今回の豪雪を教訓として自治振興区に小型除雪機を配備し、地域内道路の除雪体制を整備することとしております。

お互いの人権を認め合い、尊重し合うことで共生社会が構築されることは、当然の考え方でございます。市民からの相談は、すべての職員が意識と知識を高める中で適切に対応できる体制を整え、人権講演会やイベントなどによる啓発事業の充実、さらには人権教育・人権啓発に関する「人権尊重のまちづくり計画」を策定することとしております。

男女共同参画社会の実現は、国・県・市町村、さらには社会全体で取り組むべき重要課題であり、啓発活動、活動団体への支援に加え、共同参画の意識定着と社会形成の推進を図るため、男女共同参画プランの策定に取り組みます。

行政と市民による「協働のまちづくり」を実践するためには、お互いの情報共有が求められます。広報紙、ホームページ、放送機器等を活用した情報提供の充実、市政懇談会や出前トーク、ふれあい市長室での直接対話に加え、新たに報道機関への定期的な会見を予定しており、引き続き積極的な情報提供に努めてまいります。

近年、全国的に協働の気運が醸成される中、行政・議会・市民の役割と責任、自治の基本理念などを盛り込んだ「まちづくり基本条例」の検討が進められており、多くの皆さんのご意見を伺いながら、制定に向けた取り組みに着手したいと考えております。

本庁舎は、単に行政運営を行なう事務所としてだけでなく、市民が集い、情報を発信する市の中枢拠点、シンボル的施設として多様な機能を有しております。分散方式から1年を経過し、市民の皆さんにご不便をおかけしていることは十分に理解しており、平成20年度の完成を目標に、測量設計、用地買収に着手いたします。

建設場所、規模等に関しましては、検討委員会並びに議会特別委員会からもご意見をいただいておりますが、費用、交通要件、市街地の再生、他の生活施設との関係等から、現在地での建設が適当であるとの考えは、これまでと同様でございます。ご理解ご協力をお願い申し上げます。

国際交流に関しましては、「国際交流協会」「日中親善協会」への参画と支援、中国綿陽市からの政府訪問団と青少年訪問団の受け入れを予定しております。

次に、「定住環境の充実」でございます。

循環型社会の構築は、豊かな自然を保全し、環境に配慮した施設整備のみならず、この地に暮らす人々の想いによって成立すると考えるところであり、環境行政の基本となる「環境基本計画」の策定に着手いたします。また、リサイクルプラザをはじめ、環境衛生施設の適正な管理に加え、市民から要望の強かった新聞、雑誌、ダンボール等の収集・リサイクルに関し、本格実施に取り組むこととしております。

情報通信環境につきましては、年度末を目途に地域情報化計画の策定を進めており、広範な市域であっても「情報の過疎地」をつくらないために、今後、具体的な事業計画を検討してまいります。なお、本庁・支所など9箇所を拠点とする高速無料インターネットのアクセスポイントを整備することとしております。

生活交通対策につきましては、管内路線バスの維持に加え、東城地域での生活バス、市街地循環バスの運行開始により、すべての区域で地域内完結の交通体制が整いました。しかしながら、生活バス、市街地循環バス、福祉バス、さらにはスクールバス、患者輸送車など、運行形態や運賃の面で必ずしも統一化、均一化されていない実態がございます。運賃は、乗車区間に応じた負担をいただくことで統一化を図りますが、運行経費と受益者負担も考慮しながら、さらに調査・研究を進め、より効果的・効率的な運行方法を確立したいと考えております。

道路網の整備は、快適な都市環境の整備や生活利便性の向上、さらには地域内外の交流を促進する面から、極めて重要な施策であります。合併前の取り組み内容、各地域の地形や集落形態によって、改良すべき路線数や規模に違いも見られることから、整合性に留意しつつ、継続事業および緊急性の高い路線を優先して事業実施することとしており、中国自動車道尾道松江線、地域高規格道路・江府三次線の整備促進につきましても、あらゆる機会を通じて要望活動を展開してまいります。

また、各地域で取り組まれる「生活道舗装」「道路の草刈作業」に対し、引き続き助成するとともに、除雪作業を迅速・円滑に実施するため、国の制度を活用する中で大型ロータリー機械、歩道用機械、それぞれ2台を新たに配備いたします。

農道関係では、高茂金田線をはじめとする県営事業への負担金を拠出し、地域間を連結する広域的な幹線道路の早期整備を促進してまいります。

市街地道路では、県営事業として、広島みどり信用金庫、庄原赤十字病院前を通過する「高小路線」の調査、東城市街地を通過する「国道314号」の用地買収を予定し、市の事業として、(庄原地区)新道裏線の調査に着手いたします。

「さとやま文化都市」を将来像に掲げる本市にあって、都市機能、とりわけ魅力ある市街地の再生と整備は、まちづくりの重要な要素であります。都市計画マスタープランや都市再生整備計画を策定し、計画的な都市機能の充実に努めてまいります。

公園整備では、長期間を要した第1期・上野総合公園がいよいよ最終段階を迎え、平成19年4月の全面供用開始に向け、植栽・舗装・照明施設等の残工事並びに備品調達等の諸準備を進めることとしております。また、19年度の供用開始を目標とする国営備北丘陵公園の北入口センターエリアに関し、整備促進に向けた要望活動を行ってまいります。

灰塚ダムも完成のときが近づいてまいりました。関連施設であるアースワーク公園の整備事業は、国土交通省との協議により、2年程度繰り上げ、さらに国への委託事業として実施することとしております。

住宅整備につきましては、継続事業として「口和中央ハイツ」「たかの神野瀬タウン住宅」の建設を予定し、地域における定住促進を図ってまいります。

上水道事業、簡易水道事業につきましては、既存施設の適正な維持管理に努めるほか、庄原地区の第7期拡張計画に基づく配水施設の整備、西城地区・高野地区での施設整備に向けた諸準備を予定しております。また、井戸掘削による飲料水確保対策につきましても、助成事業として継続いたします。

下水処理につきましては、汚水処理構想の中で、公共下水道・農業集落排水事業による管処理と合併浄化槽処理の2方式を併用し、全市域を対象に事業推進を図ることとしており、費用対効果等の調査・研究により、処理方式の区域も明らかにしてまいりました。

公共下水道は、庄原・東城両地区での事業を継続し、農業集落排水事業は、継続中の山内西地区、最終年度を迎えた高野中央地区に加え、新たに高野湯川地区に着手いたします。また、合併浄化槽については、個人設置から市が設置する「市町村型」へ形態を変更し、応分の負担もお願いする中で、基本的には管処理・浄化槽処理とも、すべて市の施設として管理しながら、「水質の保全」と「快適な田舎暮らしの環境整備」に取り組んでまいります。

消防体制につきましては、新たに庄原消防署へ高規格救急車を、東城消防署へポンプ車を配備するほか、高野地区の消防団詰所、口和地区の防災無線屋外子局、さらには計画的な消火栓・消防ポンプ・積載車の整備など、常備消防・非常備消防の両面から、体制の充実を図ることとしております。

防犯関係では、広島県が提唱する「減らそう犯罪、広島県民総ぐるみ運動」に呼応し、庄原警察署との連携強化に留意するとともに、新たに警察官OBを生活安全相談員として設置し、相談体制、防犯活動および啓発の強化に努めてまいります。

地域防災に関しましては、国・県との調整を図る中で、砂防、急傾斜地対策、河川の維持・改修等を計画しております。

次に、「安心環境の充実」でございます。

保健・医療関係では、昨年来の懸案となっております庄原赤十字病院の産婦人科医師確保について、各方面への働きかけや要請にもかかわらず、「今春での実現は困難」という残念な結果となってしまいました。資格を有する人材の複数確保という特殊事情があるとはいえ、市民の皆さんの強い願いに応えることができず、特に妊産婦の方々には、不安と不便をおかけすることになりますが、一日も早い再開に向け、引き続き努力してまいります。なお、こうした状況に配慮し、妊婦の健康診査にかかる受診券の交付枚数の拡充を図ることとしております。

そのほか、市民の安心環境と健康づくりの充実に向け、休日・夜間の診療体制の確保、生活習慣病健康診査、インフルエンザ等の予防接種、乳幼児の健康診査および乳幼児医療費助成などを継続実施してまいります。

福祉関係の重点事業として多くの市民要望もいただいております「総合福祉センター」の整備に着手し、平成19年度での完成をめざすこととしております。

社会福祉協議会を中心とした団体や市民グループの運営・活動拠点として整備するこの施設は、庄原地域のみならず、広く、また多くの市民の皆さんが気軽に集い・笑顔で語らう場所でもあることから、多面的な利活用を図ることによって、協働の理念を実践する「福祉のまちづくり」に寄与するものと考えております。

高齢者福祉の関係では、介護保険法の一部改正に伴いまして、予防重視型システムへの転換やサービス面での質の確保を図ることとしており、従来の在宅介護支援センターも、新たに地域包括支援センターへ変更となります。おもな事業としては、「新介護予防のケアプラン作成」「介護認定に至らない虚弱者への総合支援」「相談業務や実態把握」などが挙げられます。また、県制度を活用し「認知症グループホーム」「ケアハウス」等への整備助成を行うこととしております。

障害者福祉につきましては、「障害者自立支援法」の施行に伴い、その環境が大きく変わることになります。関係計画の策定を行うほか、知的障害者相談員の増員を含めた相談体制の充実、自立支援事業および地域生活支援事業など、総合的な障害者福祉施策の展開に努めてまいります。

少子化の進行が国の課題として叫ばれる今日、「地域の宝」である子どもたちの出生や成長の環境を整えることは、最重要課題のひとつと認識しております。

出産祝い金事業を継続し、「地域の宝」の出生を市民全員でお祝いいたします。また、全地域を対象とした積極的な子育て推進事業の展開、ファミリーサポート事業の利用促進によって、産むこと、育てることへの不安解消に努めるとともに、各分野との連携を進める中で、子どもの歓声が響く地域社会の構築に努力してまいります。

なお、子育て家庭の経済的負担を軽減する観点で、児童手当の支給に関し、対象年齢を小学校6年生まで引き上げ、所得制限も緩和する制度の拡充が、4月から実施されることとなっております。

児童福祉につきましては、核家族化の進行やニーズの多様化により、延長保育の拡大など、新たな保育サービスが要請されております。「同じコストであれば高水準のサービス提供」を基本に、本年4月から庄原北保育所並びに東城保育所の管理運営に指定管理者制度を導入いたします。指定管理は、既に三日市保育所での実績が2年を経過いたしますが、一定の成果、市民満足も得られていると判断できることから、今後も計画的な導入を進めてまいりたいと考えております。

施設整備の関係では、庄原地域の板橋保育所・実留保育所を統合する形で、定員110名の保育所を新設するほか、東城地域では、旧東城保育所を大規模改修し、子育て支援、放課後児童クラブの対応機能も備えた児童健全育成施設を整備いたします。なお、帝釈保育所につきましては、4月から八幡保育所に統合の予定でございます。

そのほか、保育環境の充実を図るため、峰田、三日市、下高保育所につきまして、水洗化を計画しております。

次に、「教育・学習環境の充実」でございます。

本市の輝く未来は、この地に生まれ、この地で育つ子どもたちに託されているといっても過言ではありません。基礎・基本の学力を習得することはもちろん、庄原に生まれたことに誇りを持ち、強く、優しく、その時代や社会を生き抜いて欲しいと願うものでございます。

学校教育に関しましては、指導主事の増員強化、学校教育専門員を継続的に配置するほか、学力テストの実施や中学生の職場体験学習など、更なる学力の向上と将来設計に向けた知識・能力の養成を図ることとしております。また、「総合学習の時間」を活用した特色ある学校づくり事業、庄原駅舎での適応指導教室の開設など、多面的な角度から健やかな成長を支援してまいります。

加えて、小学校の全校・全学年において「英語活動事業」を継続し、中学校における「ALT招致事業」への展開を図る中で、英語でのコミュニケーション能力の向上、国際理解教育を推進してまいります。

施設整備におきましては、東城中学校の教室増設とエレベーター等の整備、高野中学校の水洗化、庄原中学校のクラブの部室改修等を計画しております。

また、庄原中学校と西城中学校での給食実施を目的として、新たに庄原小学校、東小学校、庄原中学校を対象とする共同調理場を建設し、西城、高野両地区にあっては、次年度以降の整備に向けた基本設計を予定しております。

生涯学習につきましては、生涯学習推進計画を策定し、学習成果を地域の社会参加活動に生かすシステムを構築するほか、各公民館のみならず自治振興区活動との連携を図る中で、幅広い生涯学習の推進に努めてまいります。

年齢や性別、種目等の枠を越え、市民の皆さんの自主的な体育活動組織として設立された「庄原さくらスポーツクラブ」が、本年4月から本格的な活動を開始されます。スポーツの振興に関しましては、これら体育団体の育成や活動支援に努めるほか、全市的な「健康づくりグラウンド・ゴルフ大会」や特色ある各種大会の開催など、見ること、参加すること、鍛えて競うことなど、それぞれの年齢・立場で満足感を得ることのできるスポーツの特性を活かし、一体感の醸成にも留意しながら事業推進を図ってまいります。また、施設整備につきましては、本格的な野球大会等にも対応できる施設として拡張整備を進めております板橋運動広場の完成を見込むとともに、西城体育館の大規模屋根修繕を予定しております。

芸術文化の面では、文化財案内標識を整備するほか、市内の文化財を知り・体験する学習機会として、「文化財めぐり」「子ども文化財探検隊」を計画しております。また、国・県の助成を受け、貴重な地域資源である帝釈峡「雄橋」の調査事業を行っており、地質、環境、生態等を整理するとともに、新たな活用策を検討してまいります。加えて、4年に1度、現地公開が行なわれる国の重要無形文化財・東城地区の大山供養田植の開催に対し、支援することとしております。

最後に、「働く場の創出」でございます。

農林業が本市の基幹産業であることは、歴史や土地利用、携わる市民の数から見ても疑う余地はありません。しかし、小規模農家が多数のうえ、担い手不足や高齢化が顕著であること、農産物価格の低迷や販売システムの硬直化など、多くの課題があることも事実でございます。明確なことは、農林業の衰退とともに本市の地域活力が低下したこと、さとやま文化都市の建設には、農林業を継続的・安定的な収入が得られる産業に、復活・再生することが必要であるという点であります。

なぜ衰退したのか。どうすれば元気がでるのか。これまで多くの市民、職員が葛藤する中で多様な取り組みを実践し、多額の経費も投入されてきました。何も変わっていないという見方もあるでしょう。しかし、こうした取り組みがあったからこそ、現状が維持され、復活・再生の礎を残しているのです。

今回、「儲かる」「儲ける」という視点で本市の農林業を真剣に見つめなおし、地域資源の再認識と掘り起こしによってあらゆる地域の力を結集し「農業による定住社会の復活」をめざした「農業自立振興プロジェクト」を立ち上げました。計画的、年次的な取り組みとなりますが、当面、営農指導体制の強化、地域ブランド化に向けた土づくり、和牛の共同飼育など、新たな分野への開拓に着手いたします。

また、「農家宿泊施設改造助成事業」、「市民農園助成事業」を継続し、農村・農業の魅力を都市住民に伝えることで地域への誘導を図り、交流展開の中から新たな産業化を導きたいと考えております。さらに、高野地区において夏苺の栽培へ参入する企業への施設整備助成、記録的な豪雪によって被害を受けた果樹、園芸施設への緊急対策事業も予定しております。

林業関係につきましては、植林・間伐等による人工林の整備、松くい虫防除およびスギ・ヒノキの病害虫対策、有害鳥獣の駆除対策などを講じて、有益な資産である森林環境の保全に努めるほか、地域材の活用・流通システムの構築を前提とした森林情報の登録事業、施業者による乾燥施設の整備促進に取り組んでまいります。

商工振興につきましては、中心市街地の賑わいと活力の再生に向け、引き続き「交流サロンラッキー」を拠点とする市民のイベント活動や文化活動を支援してまいります。また、中小企業振興事業、融資制度の促進事業、企業立地の意向調査等によりまして、企業活動の支援、地域企業の育成並びに企業誘致に努めてまいります。

合併により、市内には1つの商工会議所と6つの商工会が所在する状況でございます。引き続き運営・事業推進にかかる支援を行ってまいりますが、商工会につきましては、合併に向けた調査・検討が進み、東城地域を除く5つの商工会が平成19年4月の合併方針と伺っており、側面的な支援を行うこととしております。

観光交流と定住促進に関しましては、観光交流人口の更なる拡大と、来訪者の市街地誘導を促進するため、各地域での観光ワークショップ活動の充実を図り、市民の皆さんの知恵やアイデア、ご意見を活用させていただくほか、観光キャンペーンを広く・効果的に展開することとし、中でも歴史と文化が漂う東城地域のまちなみ景観や帝釈峡など、特筆する自然資源・観光資源を積極的に活用・発信してまいります。

また、観光資源・交流事業のネットワーク化を念頭に、「道の駅」であります「遊YOUサロン東城」と「リストアステーション」へ大型ディスプレイを設置し、時期に応じた観光情報の提供に努めるほか、吾妻山・比婆山などに代表される雄大で神秘的な中国山地の四季など、自然を題材とした観光ポスター、パンフレットも作成することとしております。

市内関係団体、企業、さらには市民の皆さんのご協力も得て、引き続き「庄原市カープ応援隊」事業に参画いたします。従来の応援ツアーに加え、カープ球団との協力関係を築く中、球場内外での地域情報の発信や、観光キャンペーンの一環として、ラジオ放送を利用した観光PR等も計画しております。

観光交流施設として位置付けております「道後山高原クロカンパーク」が、2007年世界陸上選手権に向けた日本チームの合宿候補地として選定・要請を受けております。これに伴い陸上競技場の一部を全天候型に改修し、施設機能の向上を図ることとしております。

定住対策といたしまして、市外に居住する本市出身者を対象に、帰郷に関する意向や課題等のアンケート調査を実施し、今後の施策展開を図るほか、高速バスによる広島市の通勤圏内化を促進するため、バス会社の協力を得て、早朝における広島直行便の運行、利用者の負担軽減助成等を行うこととしております。

地域資源の活用による新産業の創出は、環境保全、経済効果、雇用拡大等を含めた地域活性化の面で、重視すべき緊急の課題であります。組織体制も整備・充実する中で、これまでの調査・研究を踏まえた木質ペレットの生産事業、木質バイオマスエネルギー発電事業の可能性を探るほか、新たな取り組みとして、里山再生、農林業振興を主眼に置いた事業の具体化を進めてまいります。

このたび、県立広島大学との連携強化、協力関係の充実を図るため、包括協定の締結を行うことといたしました。地域経営、人材育成、地域産業など、様々な分野において、これまで以上の実践協力が得られるものと期待しており、特に2年目となる地域資源を活用した事業化提案を、商品開発などの具体的展開へ結びつけてまいりたいと考えております。

以上を主要事業として掲げ、新生「庄原市」として、2回目の予算編成を行ないました。徐々にではございますが、市役所内部、市民生活の落ち着きとともに、一体感の醸成が図られつつあるように感じており、未来へ向かっての第二章が始まります。

閉塞感、沈滞感が漂う中で、ともすれば「夢」とか「理想」を語ることが、虚しさの象徴とされますが、夢なき者に成功はございませんし、夢は必ず実現できるのです。仮に実現しないとするならば、それは「今一歩のところであきらめてしまう」からにほかなりません。

最後のもう一歩というところで、多くの人は大抵、業(ごう)の重みに負けてしまう。そのとき全力を振り絞って突き進んでいけば、必ず道は開けます。

実現できるという自信、実現しようという強い信念を携えた夢を持ちつづけ、私の政治信条のひとつでもあります、市民の誰もが自然な気持ちで「お互いさま」と言い合える「共に生きる、共生社会の実現」に向け、職員・市民の先頭に立って、常に前向きに挑戦してまいります。

議員各位、並びに市民の皆様には、今後とも、一層のご支援とご協力をいただきますよう、重ねてお願い申し上げます。

なお、予算以外の議案として、「庄原市災害弔慰金の支給等に関する条例」など、条例案21件、人権擁護委員候補者の推薦、庄原市過疎地域自立促進計画の変更など、その他18件を提案しております。

どうか、慎重なご審議をいただき、適切なご議決を賜りますよう、お願いいたします。

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